親が古い通帳を持っています。繰越済の分はすぐに捨てても大丈夫ですか?
配信日: 2023.11.29
そこで、本記事では古い通帳は捨てても問題がないのか、保存しなければならないとしたらいつまで残しておかなければならないのかといった点に注目し、解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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預金通帳は通常7年間の保管が必要
繰越済の通帳は不要だと考えてしまいがちですが、国税庁は1年間の所得を正しく計算するために保管しなければならないと定めています。それによると、何らかの収入がある場合、日常からお金の出し入れを記帳し、管理しなければなりません。そのため、最低でも1年間は保管しておきましょう。
預金通帳は5年もしくは7年保管しなければならない
通帳は「現金預金取引等関係書類」に該当し、法人や個人事業主の場合、通常7年間保管しておかなければなりません。ただ、青色申告で、さらに前々年分の事業所得や不動産所得の金額が300万円以下の場合は、5年間保管すればよいとなっています。
長期間保管する場合、紛失しないように通帳専用の保管場所を決めておくほうが安心です。
相続をする場合は7年間
相続をするにあたり、相続前の7年間でほかの財産を贈与されていた場合に相続税が加算課税されます。そのため、申告する際には過去7年間に贈与を受けているかどうかを明確にすることが必要です。
もし、過去の通帳が残っていない場合は手元にある分しか確認できなくなるため、口座がある金融機関に過去の必要年数分の入出金明細や残高証明書などを依頼しなければなりません。また、これらを依頼する際も有料であるため、通帳は捨てずに保管しておくほうが無難です。
繰越済の通帳もお金の管理のために保管しておくのがおすすめ
一般的に、繰越済の通帳を日常的に確認する必要はありません。ただ、前述したように、もし相続をする場合に、通帳がなければ時間と手間をかけることになります。また、普段から自分のお金の管理をしっかりしておくためにも、繰越済の通帳であっても保管しておくほうがよいでしょう。
処分した後で、通帳が必要になった場合、通帳1冊あたり〇〇円というように有料になっているケースが多いです。
保管期間終了後に通帳を処分する場合
保管期間が終わり、通帳を処分する際にはそのままゴミとして捨てるわけにはいきません。燃えるゴミとして出すのであれば、個人情報が記載されている分を黒く塗りつぶし、通帳をバラバラにしてからハサミなどで細かくカットして捨てましょう。
シュレッダーがある場合は、そちらを使用したほうが簡単に細分化できます。印鑑部分は先に切り取って細かくカットしておくほうが安心です。
繰越済の通帳はいざというときのために保管するほうが安心
繰越済の通帳は不要だと考えて処分してしまう場合もありますが、相続する際などには過去7年間分の記録が必要になります。また、事業収入がある場合も通常7年間保管しなければなりません。
必要なときに通帳がなければ有料で金融機関に依頼することになるうえ、手間も時間もかかります。古い通帳であっても7年間は保管しておきましょう。
出典
国税庁 記帳や帳簿等保存・青色申告
税務署 令和5年度相続税および贈与税の税制改正のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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