離婚したいけど、子どもがいるし職もない…「ひとり親」はどんな支援制度が利用できますか?
配信日: 2023.11.29
日本では、ひとり親に対して、さまざまな就職支援制度や、子育て世代向けの支援制度が提供されています。離婚後の生活不安を軽減するためにも、可能ならば支援制度を活用しましょう。
今回は、ひとり親の方が利用できる支援制度についてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ひとり親が利用できる支援制度とは?
ひとり親となった際には、さまざまな支援制度が利用可能です。就職支援と、そのほかの支援に分けて解説します。
ひとり親が利用できる就職支援制度
ひとり親が男女問わずに利用できる支援制度を、表1にまとめました。就職のための資格取得支援から、働き方に応じた支援まで幅広いため、確認しておきましょう。
表1
制度名 | 支援内容 |
---|---|
ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業 | 養成機関への入学金や就職準備金の貸し付け |
母子家庭等就業・自立支援センター事業 | 母子家庭等就業・自立支援センターなどで、就職するための支援サービスの提供 |
ひとり親家庭の在宅就業推進事業 | 在宅での就業を希望する方に対して、テレワーク勤務への移行支援 |
母子・父子自立支援プログラム策定事業 | ハローワークなどと連携して、ひとり親の状況に応じた自立支援プログラムの策定 |
高等学校卒業程度認定試験合格支援事業 | 高卒認定試験のための講座の修了、および高卒認定試験に合格した際に、受講費用の一部を支給 |
母子家庭等自立支援給付金事業 | 自治体が定めた教育訓練を受けた場合に、受講料の一部を支給 受講が長期間にわたる場合は、生活費の負担軽減を目的とした給付金の支給 |
ひとり親家庭への相談窓口の強化事業 | ひとり親をより支援しやすくするために、自治体の状況に合わせたワンストップ総合窓口の構築 |
ハローワークにおける児童扶養手当受給者等に対する就労支援(生活保護受給者等就労自立促進事業) | 児童扶養手当の対象者に対して、ハローワークなどで行われる就職に向けた自立支援 |
トライアル雇用助成金 | 育児などで仕事にブランクのある方がトライアル期間として、試行雇用で働ける制度 |
※内閣府男女共同参画局「女性応援ポータルサイト ひとり親家庭の方への就業支援」を基に筆者作成
ひとり親の就職支援には特設サイトが作られており、国から多種多様な支援を受けられます。勤務形態や資格を取得するのかなどを決めておくと、利用できる支援制度が分かりやすくなりますので、おすすめです。
ひとり親が利用できるそのほかの支援制度
そのほかにも、ひとり親の方が利用できる、就職以外の代表的な支援制度を、表2にまとめました。なお、ひとり親でなくても利用できる制度もあります。
表2
制度名 | 内容 |
---|---|
児童手当制度 | 子ども一人につき、定められた金額が支給される制度で、金額は以下の通り
・3歳未満:月額1万5000円 |
児童扶養手当制度 | 18歳に達する年度の3月31日までの児童がいるひとり親家庭に、定められた金額が支給される制度
全額支給の場合 |
ひとり親家庭医療費助成制度 | 所得条件を満たしていれば、医療費の自己負担額のうち一部を負担してもらえる制度 ただし、市区町村によって条件などは異なるため、注意が必要 |
※筆者作成
ご紹介した制度は全国で利用できる制度ですが、自治体独自の支援制度を行っている地域もあります。
例えば東京都では「受験生チャレンジ支援貸付事業」があります。中学3年生や高校3年生の子どもを持つ一定所得以下の世帯を対象に、受験料や塾の費用などを無利子で貸し付けてもらえる制度です。
学習塾等受講料は上限20万円まで、受験料は、高校受験が上限2万7400円、大学などの受験が上限8万円まで貸してもらえます。ひとり親の負担を軽減しつつ、子どもの進路の選択肢を広げられることがメリットです。
自治体独自の制度を活用すると、より負担を軽減できる可能性もありますので、チェックしておきましょう。
一人で悩まずにまずは相談を
子どもを育てている過程で離婚すると、就職や生活資金において不安が生じます。ひとり親の就職をサポートするために、さまざまな支援制度がありますので、悩んだら、まずは役所へ相談をしてみましょう。利用できる支援制度などを紹介してもらえるでしょう。
出典
内閣府 男女共同参画局 女性応援ポータルサイト ひとり親家庭の方への就業支援
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
こども家庭庁 児童扶養手当について 児童扶養手当制度の概要
東京都福祉局 ひとり親家庭医療費助成制度(マル親)
社会福祉法人 東京都社会福祉協議会 受験生チャレンジ支援貸付事業サイト 事業内容
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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