更新日: 2023.11.29 子育て

子どもの大学入学から卒業まで、4年間でどのくらいの額を見積もっておいたらよいでしょうか?

執筆者 : 堀江佳久

子どもの大学入学から卒業まで、4年間でどのくらいの額を見積もっておいたらよいでしょうか?
「教育資金」「住宅資金」「老後資金」は、人生の三大資金といわれており、まとまった資金が必要です。したがって、時間をかけてしっかりと準備をする必要があります。
 
今回は、三大資金の中の教育費、特に子どもが大学入学から卒業するまでの4年間でいくらくらいかかるのかを見ていくことにします。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

教育費用はどれくらいか?

(1)国公立と私立の違い

国公立と私立の大学の教育費用(入学費用および授業料)を表1のようにまとめてみました。
 
当然かもしれませんが、私立よりも国公立のほうが、かかる費用の合計は安くなっています。国立大学では、文部科学省の省令によって入学費用および授業料の基準額が定められているため、大学や学部でそれほど大きな差はありません。また、公立大学では、地域内の学生と地域外の学生で入学金に差をつけている(地域内の学生が安い)大学が多いようです。
 
表1:国公立私立大学入学費用と授業料(初年度)
 

入学費用 授業料(年) 合計
国公立大学 28万2,000円 53万5,800円 81万7,800円
公立大学 39万1,305円 53万6,363円 92万7,668円
私立大学 24万5,951円 93万943円 117万6,894円

 
(出典:文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」をもとに筆者作成)
 

(2)学部の違い

次に私立大学において学部ごとに教育費がどのように異なるかを確認します。表2にあるように、文系と理系では理系の授業料が高く、医歯系になるとさらに高くなり、文系の4倍以上になっています。
 
表2:学部の違いによる教育費
 

区分 授業料 入学金 施設設備費 合計
文系 815,069円 225,651円 148,272円 1,188,991円
理系 1,136,074円 251,029円 179,159円 1,566,262円
医歯系 2,882,894円 1,076,278円 931,367円 4,890,539円

 
(出典:文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」より抜粋)
 

下宿するといくらかかるか?

大学の費用は、教育費用だけではありません。学費以外に配慮すべき費用について確認してみます。
 

(1)大学の受験料

大学の受験料(入学検定料)は、国公立大学では大学入学共通テストが受験科目2教科以下で1万2000円、3教科以上で1万8000円が必要です。さらに、2次試験では1万7000円かかりますので、国公立大学を1校受験するだけで、2万9000円~3万5000円の費用が発生します。また、私立大学受験料(医歯学部等除く)は、大学によって異なりますが3万円~3万5000円が多いといわれています。
 
したがって、どこの大学に、何校受験するかによって受験料を準備する必要があります。
 

(2)入学後の費用

これは自宅から通学するか、自宅外から通学するかによって費用が大きく異なります。全国大学生活協同組合連合会によると、自宅生の月間の生活費は平均約6.4万円、自宅外生は平均約12.4万円で、2倍程度の差があるという調査結果も出ています。
 
自宅生では、奨学金やアルバイトで生活費を賄っていますが、家庭からも小遣いとして月に1万980円ほどもらっているようです。自宅外生では、奨学金やアルバイト以外に、親からの仕送りが月6万7650円あるという調査結果があります。
 

まとめ

子どもの大学入学から卒業までの4年間でかかる費用については、教育費が大きく、国公立か私立か、そしてどこの学部に行くのかによって費用が大きく変わってきます。また、教育費以外の大学受験料や入学後の費用も視野に入れておく必要があります。特に、自宅外から通学する場合には仕送りとして月に6万7650円ほどかかります。
 
いずれにしても、大きな資金が必要になりますので、計画的に資金を準備する必要があります。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について

文部科学省 令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について)

文部科学省 2023年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)

全国大学生活協同組合連合会 第58回学生生活実態調査 概要報告
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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