更新日: 2023.12.04 その他暮らし
うつで働けず、貯金も尽きました。26歳でも「生活保護」を利用することは可能でしょうか?
そこで、本記事では、うつで働けず貯金も尽きてしまった場合、生活保護の利用ができるかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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まずは生活保護制度に関する十分な理解が必要
生活保護の受給の可否について考える前に、まずはどのような制度なのかをしっかりと理解しておきましょう。日本国憲法第25条では、健康で文化的な最低限度の生活を送ることが国民の権利として認められています。この権利は、「生存権」と呼ばれており、これを守るために生活を保障する法律が生活保護法です。
生活保護法に基づき、経済的に困窮している人を援助しながら自立を助長していくことが制度の理念となっています。生活保護が必要になる可能性は誰にでもあるため、利用の申請も権利の1つとして平等に認められていることは理解しておきましょう。
ただし、後記する受給要件を満たしていなければ申請しても承認されません。承認された場合は、最低限度の生活に欠かせない費用を算出し、自分の収入では足りない分が支給されます。
どのような受給要件があるのか?
生活保護を受けるには、主に以下の3つの要件を満たす必要があります。
・活用できる資産がない
まず、貯金をはじめとして保有している資産を活用しなければなりません。必須ではない土地や建物なども売却し、生活費に充てることが求められます。言い換えると、余剰と見なされる資産がある場合は制度の対象外です。
・活用できる能力がない
労働が可能な能力を持っている場合は、それを活用して収入を得ることが必要です。その能力が病気などで失われるなどによって、経済的に自立できない人物に限り制度の対象と見なされます。
・活用できる制度がない
生活保護は、あくまでも最後の手段であり、日本国民のセーフティネットとして存在しています。そのため、他に活用できる制度がなく生活保護しか選択肢がないことも重要な受給要件の1つです。
若くても制度を利用できるのか?
一般的に、26歳は就労が可能な年齢層に入っています。とはいえ、それだけで生活保護の対象から除外されることはありません。厚生労働省で行われた生活保護に関する専門委員会でも、「年齢と就労していない事実だけを見て申請の却下に至るのは不適当」という見解が示されました。
そのため、うつで働けない状態であれば医師の診断書などにより、それを証明することで受給できる可能性があります。ただし、貯金が尽きただけでなく活用できる資産を保有していないことが必須です。また、労災保険や傷病手当など、他の制度の利用も先に検討しなければなりません。
なお、必須の受給要件ではありませんが、親などの扶養義務者がいる場合は、そちらに援助してもらうことが要求されます。DVの被害を受けて住所を知られたくないケースや、扶養義務者に経済的な余裕がないケースなどを除き、生活保護より優先される仕組みです。
受給要件や制度の理念を踏まえて判断しよう!
うつのせいで働けないなど、生活に困窮している状況の場合は、若くても生活保護を受けられる可能性があります。ただし、申請を検討するにあたっては受給要件を詳しく把握しておきましょう。
また、生活保護制度は「自立を促進するための制度」という認識も不可欠です。制度を利用する場合でも、できるだけ早く心身の改善などに取り組み、自分の収入で暮らせる状態を目指しましょう。
出典
e-Gov法令検索 生活保護法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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