更新日: 2023.12.07 子育て

塾に行かなければ1人あたりの教育費はいくら安くなる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

塾に行かなければ1人あたりの教育費はいくら安くなる?
子どもが複数いると、人数分の教育費負担が家計にのし掛かります。教育費の効果的な節約方法を模索していて「塾代を削ってはどうだろう」という考えに至る人は多いでしょう。
 
そこで本記事では、文部科学省が実施した調査の結果をもとに、塾にかかる費用の実態や塾に行かない場合の教育費の削減効果、塾代削減を検討する際に考慮すべきポイントについて解説します。
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塾の費用は年間で数十万円にのぼることもある

文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」の結果によると、小・中・高校生の子ども1年間の学習塾費の平均額は図表1のとおりです。
 
【図表1】

学年 公立 私立
小学校1年生 3万1181円 17万1797円
〃2年生 3万3365円 12万7924円
〃3年生 5万4172円 20万8636円
〃4年生 8万1635円 30万3449円
〃5年生 12万5821円 43万3441円
〃6年生 15万5013円 40万5057円
中学校1年生 15万6032円 12万6795円
〃2年生 20万3859円 18万1436円
〃3年生 38万9861円 21万9276円
高校1年生 8万674円 11万873円
〃2年生 10万7774円 17万9923円
〃3年生 17万790円 22万5035円

文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」をもとに筆者作成
 
学校の種類や学年で金額には大きな差があります。私立では小学校高学年で平均40万円超、公立の場合も高校受験を控える中学3年生で平均30万円を超えており、塾代だけで年間数十万円の支出になるケースは珍しくないと考えてよいでしょう。

 

塾以外の補助学習(通信教育・家庭教師など)はどのくらいかかるの?

塾に行かずに通信教育や家庭教師などを利用して、学校の授業だけでは足りない学習を補うと、学習費用はおさえられるのでしょうか。「令和3年度子供の学習費調査」によると、小・中・高校生の通信教育・家庭教師費の平均額は、それぞれ図表2のようになっています。
 
【図表2】

学年 公立 私立
小学校1年生 1万7675円 3万9077円
〃2年生 2万1454円 3万2391円
〃3年生 2万2342円 3万8315円
〃4年生 2万2920円 5万6006円
〃5年生 2万7283円 5万4037円
〃6年生 2万7331円 9万9204円
中学校1年生 2万8824円 4万3039円
〃2年生 3万2449円 3万9537円
〃3年生 2万6810円 2万8089円
高校1年生 1万7693円 2万6300円
〃2年生 1万7305円 2万3472円
〃3年生 1万3984円 2万9899円

文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」をもとに筆者作成
 
通信教育・家庭教師費はどの学年でも学習塾費よりも金額が低く、最も高額な私立小学校6年生でも10万円に届いていません。学習塾に行かず、ほかの学習方法で代替することで、子ども1人あたりの教育費を安くおさえられる可能性は高いと言えます。

 

塾に行かない選択にはデメリットも

塾に行かない選択によって教育費の削減効果が期待できる一方で、次のようなデメリットも伴います。
 

・私立学校や難関校受験のノウハウや情報を得にくい
・自分でペースを作って取り組むのが苦手な子は学習が不十分になる可能性がある

 
デメリットを回避するために、苦手科目や必要な講座だけに絞って塾に通う、習い事を減らすなどの方法も検討するとよいでしょう。
 
塾に行かせないことが成績不振や受験対策不足につながり、結果として子どもの進路の選択を狭めてしまう可能性もあります。教育費を節約するためだけに塾に行かないことを子どもに強要することがないよう、子どもの進路や性格、塾に行きたいかどうかの希望もふまえて、親子で補助学習のプランを練りましょう。

 

塾代は大きな節約ポイント! 必要かどうか子どもと一緒によく考えよう

学年によっては年間数十万円かかるケースもあるなど、塾代は教育費のなかでも無視できない出費です。塾に行かなければ、目に見える教育費の削減効果が期待できるでしょう。
 
しかし、子どもの進路や性格によっては、塾に行くほうが学習や受験対策の効率が上がる場合があります。費用だけに意識を向けず、子ども自身にとって塾が必要かどうか、本人ともよく話し合うことが大切です。

 

出典

文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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