更新日: 2023.12.15 その他暮らし

「このお店は大丈夫…?」レシートや領収書を発行してくれなかったのですが…

「このお店は大丈夫…?」レシートや領収書を発行してくれなかったのですが…
大半のお店では、お会計時にレシートや領収書を渡してくれます。しかし、まれにレシートや領収書を渡してくれない場合があるようです。なぜレシートや領収書を渡してくれないのか、疑問に感じる人もいらっしゃるでしょう。
 
今回は、お店側にレシートや領収書を発行する義務があるのかどうかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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顧客がレシートや領収書を求めたら発行するのはお店の義務?

顧客はお店に対して、レシートや領収書の請求ができます。どのような理由があっても、顧客がレシートや領収書を求めたら、お店側は必ず発行しなければなりません。
 
その証拠として、民法486条(受取証書の交付請求等)には以下の記載があります。
 

第四百八十六条 弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。
2.弁済をする者は、前項の受取証書の交付に代えて、その内容を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。ただし、弁済を受領する者に不相当な負担を課するものであるときは、この限りでない。

出典:デジタル庁 e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)
 
このような記載があるため、書面のレシートや領収書なら大半の場合は請求ができるでしょう。
 
ただし、電子的な受取証書を要求した場合、お店側に不相当な負担があれば、レシートや領収書の請求ができないケースがあるようです。例えば、以下のケースが不相当な負担に該当します。
 

●電子的な受取証書を提供するシステムが整備されていない
●請求時点でシステム障害などにより、電子的な受取証書を提供できない状況にある
●お店に不相当に手間のかかる方法(お店側のシステムが対応していない形式など)で顧客が電子的な受取証書を要求する

出典:内閣府法務省「電子的な受取証書(新設された民放第486条第2項関係)についてのQ&A」
 
よって、顧客がレシートや領収書を請求した場合、電子的な受取証書を要求した一部のケース以外では、お店側は必ず応じなければならないとされています。
 

なぜレシートや領収書を渡してくれないお店があるのか?

まれに、お会計後にレシートや領収書を渡してくれないお店がありますが、これには以下2つの理由が考えられます。
 

●レジがないから
●レジが設置されていてもレシートを発行する機能がないから

 
開業したばかりでレジを導入する資金がなかったり、1日の売り上げを手書きで記載していたりする場合は、レジがない場合があります。またレジは設置しているものの、レシートを発行する機能がない場合もあるでしょう。このような理由から、レシートや領収書を渡してくれないお店が、一定数あると考えられます。
 
しかし、顧客にとってレシートや領収書は、支払いの有無やお会計の内容に関するトラブルを防ぐために必要なので、領収書を書いてもらうなどして受け取っておいた方がいいでしょう。
 

レシートや領収書はできるだけ受け取りましょう

基本的に、お店側は顧客から要求があれば、レシートや領収書を渡さなければなりません。
 
しかし、お店にレジがなかったり、レジを設置していてもレシート発行の機能がなかったりなどの理由でレシートや領収書を渡してくれないお店もあると考えられます。お店側にこのような理由があり、レシートの発行が難しい場合は、手書きの領収書を発行してもらうのもいいでしょう。
 
レシートや領収書は、お金を確実に支払ったことを証明する貴重な書類です。支払いの有無や、お会計時の内容についてのトラブルを防ぐためにも、できるだけ受け取った方がいいでしょう。
 

出典

内閣府 法務省 電子的な受取証書(新設された民法第486条第2項関係)についてのQ&A

デジタル庁 e-Gov法令検索 明治二十九年法律第八十九号 民法 (受取証書の交付請求等)第四百八十六条

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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