更新日: 2023.12.15 子育て

奨学金や教育ローンを借りて進学するって大変そうです。大卒のほうが本当にトクなのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

奨学金や教育ローンを借りて進学するって大変そうです。大卒のほうが本当にトクなのでしょうか?
奨学金や教育ローンを借りて大学に進学すると、返済が大変なイメージがあるでしょう。そのため「お金を借りてまで大学に進学すべきか?」「大卒のほうがトクって本当?」といった疑問が生まれます。
 
奨学金や教育ローンを借りてでも大学に進学したほうがトクであるかについて、大学にかかる費用だけでなく、生涯賃金や退職金と比較しました。大学に行くべきか迷う人は参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

大学生の学費や1人暮らし費用

大学生となって1人暮らしを始める場合、入学金・授業料・1人暮らし費用が必要になります。
 
大学生生活を4年間送るとした場合の費用相場について、日本政策金融公庫による令和3年度「教育費負担の実態調査結果」をもとに、本項で解説します。国公立大学か私立の文系や理系によって差はあるものの、目安にすることで必要な費用が分かります。
 

学費

大学の入学金と、在学費用の平均は以下のとおりです。


・入学金……81万1000円
・在学費用……149万9000円/年

在学費用は、4年で599万6000円になります。入学金と合わせると、大学在学中に必要な教育費は、680万7000円です。
 

1人暮らし費用

1人暮らしを始める際の初期費用(敷金や家具購入費など)には38万7000円かかります。そして仕送りの平均は年間95万8000円です。仕送りを4年続けた場合は、383万2000円となり、初期費用と合わせると421万9000円の生活費が必要です。
 

大学在学4年間にかかる費用

大学に入学し、一1暮らしをする場合に必要な費用をまとめたのが、以下の金額です。
 
入学金81万円+学費599万6000円+1人暮らし421万9000円=1102万5000円
 
4年間で1102万5000円かかるため、大学に通うための経済的負担は大きいと言えるでしょう。
 

大卒と高卒が受け取る賃金比較

大学に通うことは、大きな経済的負担を伴います。奨学金や教育ローンを借りてまで進学すべきでしょうか。本項では、労働政策研究・研修機構による「ユースフル労働統計2022」の調査をもとに、生涯賃金や退職金について大卒と高卒で比較します。
 
大卒と高卒で収入差はあるものの、全員に調査どおりの差が生まれるわけではありません。あくまでも参考程度として、大卒のほうがトクであるか判断するとよいでしょう。
 

生涯賃金

大卒と高卒それぞれの生涯賃金を見ていきましょう。なお、以下の金額となる条件は、男性・60歳までフルタイム・正社員・退職金は含まないという条件で、大卒高卒とも共通です。


・高卒……2億500万円
・大卒……2億6190万円

高卒と大卒では、生涯賃金に5690万円の差が生まれます。なお、男性、60歳までフルタイム正社員、61歳以降引退まで非正規フルタイム、退職金を含めた場合の生涯賃金は以下のとおりです。


・高卒男……2億5410万円
・大卒……3億2780万円

定年後の収入や退職金を含めると差は7370万円となり、さらに賃金差が広がります。
 

退職金

退職金のみで、大卒と高卒の男性における賃金差を見ていきましょう。


・高卒……1400万円
・大卒……1890万円

退職金だけでも、490万円の差があると分かりました。
 
男女を合わせた退職金の学歴差は、大卒(管理・事務・技術)を100とした場合、高卒(管理・事務・技術)は89.9、高卒(現業職)は75です。
 
退職金の額は学歴のみならず、社会人になってからの職業によっても差が生まれる傾向です。
 

大卒のほうが生涯賃金ではトクである可能性が高い

学歴による収入の差はあります。その差は定年後の収入や退職金までを含めると、男性の場合7370万円です。そのため、大学4年間の学費や1人暮らし費用をかけた際にかかる1102万5000円を奨学金や教育ローンを借りてでも、大学進学したほうがトクであるといえます。
 
しかし大学に進んだからといって、かならずしも高卒の人よりも収入が多くなるわけではありません。それでも奨学金や教育ローンを借りたほうがよいのか、慎重に検討しましょう。
 

出典

日本政策公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」
労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2022
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

ライターさん募集