定年後に「退職金」が入金された途端、銀行から何度も「電話」が…恐るおそる出てみると、内容はセールス? 注意点や銀行側の目的も解説

配信日: 2023.12.17 更新日: 2023.12.18

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定年後に「退職金」が入金された途端、銀行から何度も「電話」が…恐るおそる出てみると、内容はセールス? 注意点や銀行側の目的も解説
定年後の退職金など、銀行口座に数百万円単位のお金が入金された際に、銀行から電話がかかってくることがあります。これまで銀行に行くことはあっても、銀行から電話などの連絡が来ることが少なかった人であれば、「いったい何の用……?」と不審に思ってしまうかもしれません。
 
本記事では、銀行がどのような目的で連絡をしてくるのかを解説します。
小林裕

執筆者:小林裕(こばやし ゆう)

FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

主な目的は金融商品のセールス

結論から言うと、銀行の目的はセールスであることが多いでしょう。銀行にとって、顧客の口座に大口の入金があった際は、セールスのチャンスです。銀行にもよりますが、200万円以上など大口入金は日次でデータが集計されており、営業員に共有されています。営業員はそのデータをもとに顧客に電話し、営業を行っています。
 
電話口のやりとりで、入金されたお金が退職金など今後の使い道が定まっていないものと分かると、営業員は「大口ご入金のお礼をさせていただきたいので、ぜひ銀行にお越しください」と声をかけて来店を促すことがあります。そして、来店後に、金融商品のセールスを本格的に開始するという流れです。その場合は、銀行の個室に通されることもあるようです。
 
提案された金融商品が本当に必要なものであれば契約してもよいですが、銀行で紹介する商品(投資信託や外貨建て保険など)は基本的に手数料が高いものが多いです。「初期手数料無料」のように説明されても、運用コスト(維持管理費用)が高いものや、解約時の費用が高いものなどさまざまです。
 
もちろん、その全てが悪い商品という訳ではありません。一定以上の資産を持っている人にのみ、案内する商品も存在します。いずれにせよ、銀行からセールスされた際は、手数料などの説明をよく聞いて、納得してから契約をするようにしましょう。
 

運用未経験の場合はより落ち着いて検討を

「退職金ほどの大金が入金されたことは過去にない」という人も多いのではないでしょうか。そのような人が銀行から急に「大口入金のお礼」と声がかかり、銀行の個室に通されると、冷静な判断ができなくなってしまう可能性があります。勢いに任せてその場で契約するということはせず、持ち帰ってご家族などにも相談しましょう。
 

犯罪防止の観点

大口入金時の銀行からの連絡は、主にセールス目的と考えられますが、犯罪防止の側面もあります。銀行が入金の理由を尋ねることで、そのお金が詐欺やマネーロンダリングなどの犯罪行為で入金されたものではないかを確認できます。社会的な監視機能を担っているというわけです。銀行から尋ねられた際は、入金されたお金がどのような性質のものなのか、正確に回答しましょう。
 

銀行員の狙いを理解した上での対応を

退職金など大金が入金された際の銀行からの連絡は、主にセールス目的であることが多いようです。老後のための退職金はセカンドライフを送る上で非常に大切な資産です。銀行員から提案される全てが悪い商品というわけではありませんが、商品内容に納得・理解ができない場合は購入を控えましょう。
 
銀行のビジネスモデルとして、一昔前のように融資の利息収入で収益を上げることが難しくなっていることから、投資信託や保険などの商品の販売手数料が主な収益源となっています。銀行員の立場をある程度理解した上で、話を聞くようにするとよいでしょう。
 
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

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