更新日: 2023.12.29 子育て

元々高いのに学校の制服価格がさらに上がっています。どうしてこんなに高い? 法的に問題ないの?

元々高いのに学校の制服価格がさらに上がっています。どうしてこんなに高い? 法的に問題ないの?
中学や高校へ進学する子どもがいる家庭では、制服の購入代について気になることもあるのではないでしょうか。制服の価格設定は学校によって異なりますが、数万円単位のお金がかかることも珍しくありません。
 
中には価格が高すぎてお金を用意できるか分からない人もいることでしょう。ただし、制服代が高いだけで法的に問題はありません。制服の購入代金の目安を把握するなどして、事前に用意しておくと安心です。
 
本記事では、学校の制服の平均的な価格をはじめ、制服の費用負担が大きい場合の適切な対処法をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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学校の制服の平均価格はどのくらい?

制服の価格は、同じ学校でも年度によって異なったり、公立か私立かでも金額に差が見られたりします。正確な金額を知りたい場合は、事前に公式サイトや案内、直接学校へ問い合わせるなどして確認しておくとよいでしょう。
 
公正取引委員会の「学校制服の取引実態に関する事後検証報告書について」で伝えている、各制服品目の価格推移は図表1のとおりです。
 
【図表1】

    

男子 女子
中学校 高校 中学校 高校
詰め襟 3万2456円 3万2033円
ブレザー 3万4905円 3万6322円 3万4199円 3万5926円
セーラー服 3万4961円 3万3685円
シャツ 3090円 3987円 3315円 4114円
ブラウス 3099円 4264円
ネクタイ・リボン 2078円 2129円 1344円 1686円
ベスト 5224円 5462円 6916円 6276円
セーター 5449円 6107円 5563円 6173円
コート 9175円 16760円 9175円 1万6963円

公正取引委員会「学校制服の取引実態に関する事後検証報告書について」より筆者作成
 
小学校では私服だったとしても、中学校、高校になると公立・私立ともに制服の購入が必要な学校が多いです。また、成長期によるサイズアップを理由に買い替えも必要になるでしょう。
 
そのたびに数万円もする制服を購入するのは無駄に感じるかもしれませんが、校則で制服の着用が決まっている以上避けることはできません。また、制服は「大量生産ができない」「長い期間着用できる品質」「売れる時期が限定的」といった理由から、価格を高く設定せざるを得ない背景もあります。
 

独占禁止法違反行為は厳正に対処される

制服をこの価格までにしなければならないという明確な決まりはありません。また、業者と学校間で価格協定が交わされるといったことも、原則していません。
 
しかし、販売業者間で「制服の価格を何%程度値上げしよう」などと話し合いを行って値上げ案をまとめるのは、独占禁止法違反と見なされ、再発防止を求める排除措置命令が出される可能性が高いです。
 

学生服の費用負担が大きい場合はどうすればよい?

学生服の費用負担が大きい場合は、以下の方法で購入を検討してみてください。

●教育支援資金を利用する
●早割で私服を購入する
●リユース品を入手する

方法別に内容を解説しますので、制服購入費用を用意するのに困ったときの対処法としてみてください。
 

一定の要件に該当すれば教育支援資金を利用できる

一定の要件に該当する世帯なら高校の制服購入費用として、生活福祉資金貸付の教育支援資金(就学支度金)を利用できます。貸付対象と支援を受けられる費用は図表2のとおりなので、該当する場合は利用を検討してみてください。
 
【図表2】

貸付対象 低所得世帯:必要資金を他から借りるのが困難な世帯(市町村民税非課税相当)
借入資金使途 高等学校高等学校、大学または高等専門学校へ入学するために必要な経費
貸付対象 低所得世帯:必要資金を他から借りるのが困難な世帯(市町村民税非課税相当)
貸付限度額 50万円以内
据置期間 卒業後6月以内
償還期限 据置期間経過後20年以内
利子 無利子
保証人 不要

厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」より筆者作成
 

早割で制服を購入する

学生服の販売業者によっては、早い時期の購入で10~20%というように割引が可能なサービスを提供している場合があります。制服の価格を安くできる以外にも2~3月の購入で採寸の混雑や納期までに時間がかかるといったことの回避が可能です。
 

リユース品を入手する

新品の制服にこだわりがないなら、卒業生にもらう、リユースショップで購入するのも方法の一つです。制服業者から購入するのとは異なり、マージンも発生しないうえに、まだまだ着られる制服が無駄になることを避けられます。
 
また、自治体によっては不要になった制服を回収して、必要な人に譲っていくといった取り組みを行っています。   
 

制服の価格を理解して適切な方法で入手しよう

制服の価格は、総額5万円を超えるケースも珍しくありません。大量生産が困難だったり、長い期間にわたって着用できる品質だったりすることから価格が高く設定されている状況です。
 
制服代が高いと、家計に大きな負担を与えますが、法律に反する価格設定ではありません。また、校則で着用が決められている以上は購入しない、手に入れないという選択は現実的ではありません。早いうちから制服代を貯めておいて早割を利用する、リユース品の購入も検討してみましょう。どうしてもお金の用意が困難な低所得世帯であれば、教育支援資金の利用が可能です。   
 

出典

厚生労働省 生活福祉資金貸付条件等一覧
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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