更新日: 2024.01.05 その他暮らし

急にコンサートに行けなくなったのでチケットを売りました。定価に郵送代や手数料を追加しただけなので「高額転売」にはあたりませんよね?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

急にコンサートに行けなくなったのでチケットを売りました。定価に郵送代や手数料を追加しただけなので「高額転売」にはあたりませんよね?
楽しみにしていたコンサートチケットを手に入れたものの、予期せぬ事情で参加できなくなることはあるものです。せっかくなら、そのチケットをコンサートに行ける人の手に届けたいと思う人は多いでしょう。しかし、人に譲渡するときには、不正とされる高額転売を避けなければなりません。
 
本記事では、チケットの高額転売の定義と、チケット不正転売禁止法の概要、合法的に転売する方法などを解説します。コンサートに行く機会が多い人は、法律を順守しつつ、チケットを適切に手放す方法を確認しておきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高額転売とは

コンサートなどチケットの高額転売は、社会的にも法的にも大きな問題となっています。高額転売とは、定価よりもかなり高い価格でチケットを転売する行為のことです。特に人気のあるイベントやコンサートのチケットは需要が供給を上回るため、市場価格が高騰することがあります。
 
高額転売をする人が増えるほど、チケットの入手競争が激しくなり、チケットを正規の価格で購入しようとする消費者に不利益を与えます。また、転売市場での不正競争を生むことにもつながりかねません。
 
また、イベント主催者の規約により高額転売されたチケットでの入場が拒否されるケースもあります。これは、転売されたチケットが正規の販売ルートから外れたものであるため、その正当性が保証されないからです。
 
日本では、このような問題を解決するための「チケット不正転売禁止法」が、2019年6月から施行されました。
 

チケット不正転売禁止法の概要

2019年6月14日に施行された「チケット不正転売禁止法」は、チケットの不正転売を防止するために制定された法律です。映画・音楽・舞踊などの芸術・芸能やスポーツイベントのチケットにおいて、興行主の同意なしに有償譲渡を禁じる旨が明示され、座席指定等されたチケット(特定興行入場券)の不正転売を禁止しています。
 
不正転売とは、興行主の事前同意なく、反復継続の意思を持って行われる有償譲渡で、特定興行入場券を興行主等の販売価格よりも高い値段で他の人に売ることです。この法律に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、あるいはその両方が科される可能性があります。業者だけでなく、個人による転売も対象です。
 
チケット不正転売禁止法は、不正転売による消費者への不利益や市場の混乱を防ぎ、健全なチケット市場の確立を目指しています。チケットを適正な価格で購入し、イベントや公演などを楽しむ権利を保護するため、このような法的規制が設けられているのです。
        

トラブルを防ぎつつ合法的に転売するには

コンサートチケットの高額転売は罪にあたることがあるため、避けなければなりません。しかし、いかなる場合も転売ができない訳ではなく、合法的に転売する方法はあります。
 
本項では、合法的に転売するためのポイントを解説します。予測しうるトラブルを避け、違法な転売を避けるための参考にしてください。
 

価格設定に気をつける

チケット転売時の価格設定は、法律違反にならないよう慎重に行う必要があります。主なポイントは、チケットの原価(定価)と必要経費を超えない価格で設定することです。必要経費には、郵送料や購入時の手数料など、転売にかかる実際の費用が含まれます。
 
定められた基準に従うことで、法律違反のリスクを避けつつ、適切な価格での転売を行えます。
 

販売方法に気をつける

政府では、チケットの安全かつ合法的な販売に、正規リセールサイトの利用を推奨しています。正規リセールサイトは興行主の同意を得ており、公演に行けなくなった場合などにチケットを定価と必要経費で譲渡できるサービスです。
 
正規リセールサイトを利用するメリットには、法律違反のリスクを避けられること、安心して取引ができる環境が整っていることなどがあります。また、購入者との直接的なトラブルを回避し、スムーズな取引を実現するためにも有効です。
    

コンサートチケットの転売が不法行為にあたらないよう気をつけよう

コンサートチケットの転売は、適切な方法で行えば不法行為にはあたりません。重要なのは高額転売を避け、定価と必要経費を超えない価格設定を心掛けることです。また、正規リセールサイトを利用することで、安全かつ合法的な取引が可能になります。
 
突然の予定変更によりコンサートに行けなくなった場合は、法律を順守しながら適切な対応方法でチケットを手放しましょう。
 

出典

政府広報オンライン チケットの高額転売は禁止です!~チケット不正転売禁止法

文化庁 チケット不正転売禁止法

e-GOV 特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(平成三十年法律第百三号)

独立行政法人国民生活センター チケットの転売に関するトラブルにご注意!

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集