更新日: 2024.01.12 子育て

ママ友が子どもを将来「弁護士」にしたいと言っています。実際、いくらの教育費がかかるものでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

ママ友が子どもを将来「弁護士」にしたいと言っています。実際、いくらの教育費がかかるものでしょうか?
弁護士には堅実で収入も多いイメージがあり、子どもに将来就いてほしいと考える家庭も多いのではないでしょうか。一方で、難関の司法試験に合格するには、教育費がどのくらい必要なのか心配になる人もいるでしょう。
 
そこで本記事では、大学受験から司法試験を経て弁護士になるまでどのくらいの費用が必要となるのか、具体的な金額を試算しました。いつまでにどのくらいの教育費を用意すればいいのか、イメージしてみてください。
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大学入学から弁護士になるまでの流れ

日本弁護士連合会「弁護士になるには」によると、大学に入学してから弁護士になるまでのおおまかな流れは、次のとおりです。

1.大学入学~卒業(4年制または3年間の法曹コース)
2.法科大学院入学~修了(または予備試験受験~合格)
3.司法試験受験~合格
4.司法修習(研修)~試験合格

 
弁護士になるには、大学卒業後に法科大学院に進むか、司法試験の予備試験を受験して合格する必要があります。法科大学院には、大学で法学を修めた人は2年、法学未修者は3年間通わなければなりません。
 
司法試験を受験できるのは、法科大学院の最終学年以降または予備試験の合格後です。司法試験に合格し、法科大学院を修了すると、法律事務所や裁判所、検察庁、司法研修所などで、司法修習生として法律家になるのに必要な研修を受けられるようになります。
 
1年間の司法修習を終えて研修所の試験に合格すると、ようやく弁護士を含む法曹になる資格を得られる仕組みです。大学入学から弁護士になるまでは、最短でも6年間かかります。
 

大学入試から卒業までにかかる費用

日本政策金融公庫が実施した「教育費負担の実態調査」の結果(2021年12月20日発表分)によると、国公立大学進学者の受験費用を含む入学費用は平均約67万円です。また、在学中にかかる教育費は年間平均約104万円となっています。入学費用と4年間の教育費を合計すると、国公立の大学では平均約480万円必要となる計算です。
 
進学先が私立大学の場合は、入学費用、在学費用ともに国公立大学よりも平均額が高く、さらに200万円以上必要となる可能性があります。
 

法科大学院在学中にかかる費用

法科大学院は法曹養成のための専門職大学院で、文部科学省「法科大学院一覧」によると、 2023年時点では国立15校、公立2校、私立17校の大学が入学者選抜を実施しているようです。文部科学省「令和4年度法科大学院関係状況調査」をもとに、国立の法科大学院に入学した場合にかかる授業料と入学料を、表1にまとめました。
 
【表1】

2年コース(既修者) 3年コース(未修者)
授業料 160万8000円 241万2000円
入学料 28万2000円 28万2000円

文部科学省「令和4年度法科大学院関係状況調査」より筆者作成
 
授業料・入学料のほかに施設整備費、その他諸経費を徴収している学校もありますが、金額は少額です。大学、法科大学院のいずれも国立の場合、大学受験から法科大学院卒業までにトータルで670万円程度の費用がかかる計算となります。
 
また、私立の法科大学院の場合は学校ごとに費用が異なり、さらに100万円単位の費用がかかることも想定する必要があります。
 

司法試験の受験にかかる費用

司法試験を受験する際には、手数料2万8000円がかかります。1回の受験で合格できなければ、受験回数×2万8000円が必要です。
 
また、試験対策の予備校に通う費用も考慮する必要があります。予備校によって金額には開きがあり、年間数万円~140万円程度が相場です。140万円の講座に1年間通えば、国立大学受験~国立法科大学院在学中の費用と合わせて、800万円以上が必要となる計算です。
 

司法修習生になると給料(給付金)がもらえる

裁判所「司法修習生の修習給付金について」によると、司法修習生になると、国から次の修習給付金が給付されるようです。

●基本給付金:1月あたり13万5000円
●住居給付金:1月あたり3万5000円
●移転給付金:最高裁判所の定める路程に応じた金額

 
学生ではなくなり教育費の負担はなくなりますが、修習給付金の金額は独立して生活するのに十分とはいえません。弁護士として就職するまでは、生活費の負担が続く可能性があるようです。 
 

子どもを弁護士にするには多額の費用がかかる

子どもを弁護士にしようとすると、国立大学、国立法科大学院を浪人・留年なしに修了して、1年目で司法試験に合格できたとしても、670万円程度の費用が必要となる計算です。私立校を進学先に選んだ場合は、1000万円近い教育費がかかることを覚悟する必要があるでしょう。
 
弁護士という難関の職業に子どもを就かせたいと希望するなら、親も将来に備えて教育費の準備を万端にしておくことが大切です。
 

出典

日本弁護士連合会 弁護士になるには
日本政策金融公庫 教育費に関する調査結果
文部科学省 法科大学院一覧
文部科学省 令和4年度法科大学院関係状況調査
法務省 令和5年司法試験に関するQ&A Q72 受験手数料はいくらですか
裁判所 司法修習生の修習給付金について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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