更新日: 2024.01.17 その他暮らし

【衝撃】iPhoneは実は「値上げ」していなかった! 円安とiPhoneの関係を解説

執筆者 : 本条アカネ

【衝撃】iPhoneは実は「値上げ」していなかった! 円安とiPhoneの関係を解説
毎年発売されるApple社のiPhone。2023年9月にも「iPhone 15」が登場しました。価格は日本円で12万4800円(128GB)で、2022年発売の「iPhone 14」と比べて5000円の値上げでした。しかし、米ドルでの価格は、実は「iPhone12」からずっと799ドルのままだったのをご存じでしょうか。
 
この記事では、iPhoneと円安の関係を解説していきます。

iPhoneの価格推移

まずは、直近5年間のiPhoneの価格を比較してみましょう。
 

米ドルでの価格推移

アメリカでは2019年発売の「iPhone 11」が699ドル、翌年発売の「iPhone 12」が799ドルで、前年より100ドルの値上げでした。しかし、2021年以降は「iPhone 13」「iPhone 14」「iPhone 15」がすべて799ドルと、価格は据え置きのままです。毎年性能が向上しているiPhoneが、ここ数年は同じ価格設定なのはかなりお得にも感じますね。
 

日本での価格推移

一方で、日本での発売価格は、毎年値上がりを続けています。
 
「iPhone 11」が7万4800円、「iPhone 12」が8万5800円(前モデル比+1万1000円)、「iPhone 13」が9万8800円(前モデル比+1万3000円)、「iPhone 14」が11万9800円(前モデル比+2万1000円)、「iPhone 15」が12万4800円(前モデル比+5000円)です。
 
米ドル価格に比べ日本での発売価格が毎年値上がりしているのには、ある大きな要因があります。
 

日本だけ値上げの理由は、円安が影響?

日本での発売価格の値上げには、円安が大きく影響しているようです。発売当時の為替レートをまとめると図表1になります。
 
図表1

モデル 発売日 アメリカ価格 日本価格(前モデル比) 発売日の為替レート
iPhone 11 2019年9月20日 699ドル 7万4800円 108.56円
iPhone 12 2020年10月23日 799ドル 8万5800円(+1万1000円) 105.20円
iPhone 13 2021円9月24日 799ドル 9万8800円(+1万3000円) 110.91円
iPhone 14 2022年9月16日 799ドル 11万9800円(+2万1000円) 143.61円
iPhone 15 2023年9月22日 799ドル 12万4800円(+5000円) 148.17円

Apple公式サイト、メットライフ生命 過去の為替レートより筆者作成
 
日本での価格が値上がりしていると同時に、円安が進んでいることがわかります。
 
例えば最新機種である2023年発売の「iPhone 15」の場合、発売日のレートで計算してみると、799ドル×148.17円=11万8387円となります。販売価格に日本までの送料や手数料を上乗せすると、妥当な価格ではないでしょうか。「iPhoneは毎年値上げする」というイメージの裏には、円安ドル高による影響があることがわかりました。
 

そもそも円安になったわけ

物価も上がる中でこれ以上の値上げは勘弁してほしいというのが本音ですよね。そもそも円安になってしまった原因は、アメリカと日本の金利差です。
 
日米ともに景気悪化にともない長らく「金融緩和」政策で経済の活発化を図っていましたが、2022年3月にアメリカが景気の過熱や物価上昇を抑えるため「金融引き締め」政策に転換しました。
 
長期金利が約5%に上昇したアメリカに比べ、0.89%と低水準のままの日本。金利の高いドルで運用したほうがより多くの利息が見込めるため、円を売ってドルで運用する動きが強まり、円の価値が下がってしまったのが原因です。
 

まとめ

iPhoneと円安の関係について解説しました。毎日使うスマートフォンも円安の影響が顕著に出ていたのですね。円安や物価高とお金にまつわる不安が絶えませんが、これ以上の値上げは勘弁してほしいものです。
 
執筆者:本条アカネ
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