更新日: 2024.01.25 その他暮らし
燃費の良いクルマを買ったのに、乗ってみるとそれほど良くもない気がします。どうして違うのでしょうか?
そこで本記事では、カタログ燃費と実際の燃費が異なる原因について解説します。また、自動車の燃費性能を検査して公表する理由と、少しでもカタログ燃費に近づけるための運転のコツについても併せて紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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燃費を検査して公表する理由
国土交通省が、自動車の燃費を検査して燃費の良い車をランキングで公表するのは、気候変動対策を推進するためです。2021年度時点で、国全体のCO2排出量の約15%を占めているのが自動車であり、自動車からのCO2排出量を削減するためには、自動車の燃費や性能を改善させる必要があるからです。
そこで、自動車ユーザーの環境への関心を高め、より環境性能の高い車の選択や利用を促進することで、カーボンニュートラルを進めようとしているのです。
カタログ燃費と実燃費が異なる原因
カタログ燃費と実燃費に違いがあるのは、カタログ燃費の試験を行う条件と実際の走行条件が異なるからです。メーカー独自で燃費を計測すると、計測条件にばらつきが出るため信頼性が薄れます。そこで、国が定めた試験方法に従って計測し、さらにその計測結果を国が検証して客観的に性能を測るのです。
国土交通省が定めた性能試験では、特定の温度や湿度など日本の都市における平均的な走行パターンとして選ばれている10.15モードが採用されています。10.15モードでは、カーブや坂道のない平らな道で、エアコンやカーナビなどのオーディオを使用しないといったように、実際に市街地を走行したときの条件が十分に反映されていません。
実際の走行では、車内の温度を調整するためにエアコンを使うこともあれば、渋滞にはまることもあるため、燃費が悪くなります。また、性能試験はプロのドライバーが担当していることも、燃費に違いを生じさせる原因の一つです。
ドライバーは、計測器があることを意識しながら運転しているため、一般ドライバーの普段の走行状態を適切に再現できていないからです。燃費検査で選ばれている10.15モードでは、大きなトルクが必要な運転や急激な加速を行わないため、燃費が良くなります。
カタログ燃費に近づけるための運転のコツ
カタログ燃費にできるだけ近づけるためには、環境省が推奨しているエコドライブを心掛けることです。具体的には、急ハンドルや急ブレーキ、急発進をしない、エアコンは適切に使用する、渋滞や混雑した道路をできるだけ避けることなどです。急な加速やブレーキは市街地では2%、郊外では6%ほどの燃費の悪化につながります。
交通状況を予測しながら運転することにより、急加速や急減速だけでなく交通事故も防げます。ほかにも、タイヤの空気圧のチェック、エンジンオイルやオイルフィルターなどの定期的な交換など、車の点検や整備を定期的に行うことも大切です。
カタログ燃費と実燃費が異なる理由を理解してエコドライブを心掛けよう
カタログ上の燃費に期待して購入した車でも、実際に走行してみると燃費が悪いと感じるのは、走行条件が異なるからです。実際の走行ではあり得ない条件下でカタログ燃費を計測しているため、燃費に違いが出てしまいます。急ブレーキや急発進など無理な運転をしないことで、燃費を伸ばすことはできるため、できるかぎりエコドライブを心掛けましょう。
出典
国土交通省 自動車の燃費ランキングを公表します!
国土交通省 自動車燃費目標基準について
環境省 エコドライブ10のすすめ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー