更新日: 2024.01.30 その他暮らし

交通事故にあいましたが加害者は「無保険」でした…「政府保障事業」に請求できると聞いたのですがどうすればいいですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

交通事故にあいましたが加害者は「無保険」でした…「政府保障事業」に請求できると聞いたのですがどうすればいいですか?
交通事故の被害者になった場合は、加害者が加入している自賠責保険(共済)から負傷や死亡の賠償を受けられます。しかし、加害者が無保険でお金がなくて、賠償を受けられないこともあります。
 
今回は、交通事故の加害者が無保険の場合に利用できる「政府保障事業」の概要と、請求するための方法・注意点について調べてみました。
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すべての自動車に加入義務のある自賠責保険(共済)とは

自賠責保険(共済)とは「自動車損害賠償責任保険(共済)」のことです。交通事故の被害者を救済するために、加害者が負うべき経済的な負担を補てんすることで、基本的な対人賠償を確保することを目的とします。
 
自賠責保険(共済)は強制保険であり、オートバイ・原動機付き自転車・電動キックボードを含むすべての自動車は、加入が義務付けられています。そのため、未加入の車両は車検を受けることができません。
 
自賠責保険(共済)は、事故の被害者1人ごとに以下の支払い限度額が定められています。

●死亡による損害:最高3000万円
●後遺障害による損害:最高4000万~75万円(後遺障害等級による)
●傷害による損害:最高120万円

自賠責保険(共済)に加入せずに自動車を運転した場合の処分は、以下の通りです。

●1年以下の懲役または50万円以下の罰金
●違反点数6点(免許停止処分)

 

加害者が自賠責保険(共済)に加入していない場合に利用できる「政府保障事業」とは

交通事故の加害者が無保険の場合や、ひき逃げで加害者の車が不明の場合は、自賠責保険(共済)では賠償を受けられません。適切な賠償金が受け取れないと、被害者には経済的負担や大きなストレスがかかるでしょう。
 
このようなケースでは「政府保障事業」を利用できます。これは、被害者が受けた損害を、国が立て替え払いしてくれる制度です。自賠責保険(共済)と同じ金額を限度として、負傷や死亡に対する賠償が受けられます。
 
自賠責保険(共済)との違いは以下の通りです。

●請求できるのは被害者のみで、加害者からの請求はできない
●被害者に支払った後、国が加害者に求償する
●健康保険・労災保険などの社会保険からの給付があれば、その金額を差し引く

保障金の支払い額を決定するのは政府で、それ以外の業務は損害保険会社(組合)に委託されています。政府保障事業に請求するには、損害保険会社(組合)の窓口や損害保険料率算出機構のWebサイトにて「請求キット」を手に入れて、請求書類を提出することが必要です。
 

「政府保障事業」を利用する際の注意点

交通事故にあった際は、すぐに警察に人身事故の届出をする必要があります。これを忘れてしまうと、交通事故証明書が発行してもらえず、損害てん補を受けられなくなってしまう場合があります。
 
交通事故によるけがの治療をする際は、健康保険や労災保険などを使って治療するように、病院に申し出ることも大切です。無保険またはひき逃げによる事故で自賠責保険(共済)が使えない旨を説明することで、受け付けてもらえます。
 
政府保障事業には支払い限度額があるため、けがの状態によっては超過部分が自己負担になる可能性を考えて、健康保険や労災保険を使うようにしましょう。
 

無保険事故でも「政府保障事業」で対人賠償が受けられる!

すべての自動車は、自賠責保険(共済)への加入が義務付けられていて、交通事故の際は、被害者が対人賠償を受けられます。しかし、加害者が自賠責保険(共済)に加入していないために、賠償が受けられないケースもまれにあるようです。この場合は、加害者に代わって損害のてん補を行う制度である、政府保障事業を利用できます。
 
交通事故のリスクは誰にでもあり、場合によっては加害者が無保険であったり、ひき逃げされたりする場合も考えられますから、政府保障事業へ請求する方法を知っておくと安心です。
 

出典

国土交通省 自賠制度と自賠責保険・共済について
国土交通省 自動車総合安全情報 自賠責保険ポータルサイト 交通事故に関するお役立ち情報 政府保障事業に関すること
損害保険料率算出機構 政府の保障事業とは
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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