【若者の価値観】子どもを欲しがるのは「ぜいたく」? 子ども一人が成人するまでにかかる費用はいくら?
配信日: 2024.01.31
そこで、子どもが生まれてから大学を卒業するまでに、どれくらいの費用が必要なのか、政府による子育て支援策も含めて紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どもが成人するまでにかかる費用
0歳から中学校卒業までの15年間にかかる費用は、1899万5250円といわれています。この費用には保育費、学校教育費、学校外教育費、学校外活動費の他に食費や生活用品費、医療費、子どもの携帯電話代、おこづかい、お祝い行事関係費、子どものための預貯金・保険、レジャー・旅行費が含まれます。
この金額は、ほとんどの家庭が小中学校を公立に通わせている前提のうえで算定されているものです。小中学校で私立に通わせる場合は必要な費用がもっと高くなります。
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」を参考に、高校生にかかる費用を算出してみましょう。中学3年生にかかる子育て費用から学校教育費と学校外活動費を差し引いた金額は131万6050円と考えられています。そこに「令和3年度子供の学習費調査」から学校教育費と学校が活動費を加えて計算します。
公立高校に通った場合にかかる年間の子育て費用は182万9021円、私立高校に通った場合は237万494円です。3年間の子育て費用は公立高校に通った場合は548万7063円、私立高校に通った場合は711万1482円になります。
独立行政法人日本学生支援機構の「令和2年度学生生活調査結果」によれば、大学生の学費と生活費を合わせた1年間の学生生活費は、国立大学に通うと143万1800円、公立大学に通うと137万2900円、私立大学に通うと192万8600円です。大学4年間にかかる費用は国立大学が572万7200円、公立大学が549万1600円、私立大学が771万4400円になります。
ここまでの結果をまとめると、0歳から大学卒業までにかかる費用は、高校と大学で公立に通った場合は2997万3913円、高校と大学で私立に通った場合は3382万1132円です。なお、ここで算定した金額はあくまで平均値です。そのため通う学校や学部によって、金額は大きく異なるでしょう。
育児を支援するさまざまな手当
ここでは、育児を支援するさまざまな制度を紹介します。
・出産に関する手当
各自治体では妊婦検診にかかる費用負担を軽減するための助成をおこなっています。出産育児一時金は出産にかかる費用を軽減するために一人出産するごとに50万円支給される制度です。双子なら100万円が支給されます。
・幼児教育・保育の無償化
2019年10月より、認可保育園、幼稚園、認定子ども園等の3~5歳児クラスの利用料が無料になりました。0~2歳児クラスでは住民税非課税世帯は利用料が無料です。ただし、無料になる利用料には送迎費用や食材料費、行事費等は含まれません。
・児童手当
中学卒業までの子どもを養育している人を対象に、1ヶ月あたり3歳未満は1万5000円、3歳~小学校卒業までは1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生は1万円が支給されます。
・高等学校就学支援金
高等学校就学支援金は2010年にスタートした制度で、所得制限はあるものの、基準を満たしていれば高校の学費が実質無料になります。
子育てはお金がかかるものの子育て支援策は拡充の方向に
一人の子どもが生まれてから成人するまでにかかる費用は、平均的に約3000万円必要です。確かにお金はかかりますが、子育て支援制度を利用すると、実際の負担はもっと少なくなります。
子育てで最もお金が必要になるのは子どもが大学生になるときです。子どもが小さいうちは貯蓄ができるタイミングなので、子どもが大学生になるまでの目標額を決め、コツコツと貯蓄していきましょう。
出典
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査
独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー