更新日: 2024.02.14 その他暮らし

【いくらで利用可能?】「無料低額宿泊所」は生活保護受給者も利用できる制度なのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【いくらで利用可能?】「無料低額宿泊所」は生活保護受給者も利用できる制度なのでしょうか?
無料低額宿泊所とは、生活保護を受給していても、なお生活が苦しい人などが利用できる施設です。
 
入居するには「生活に困窮していること」などの条件を満たしている必要がありますが、民宿などの一般的な宿泊施設や賃貸住宅などとは、どのような違いがあるのでしょうか。
 
本記事では、無料低額宿泊所を利用する際にかかるコストや、利用している生活保護受給者の割合についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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無料低額宿泊所とは?

無料低額宿泊所は、社会福祉法に基づいて設置される施設で、無料、または低額な料金で簡易住宅を貸し付けたり、宿泊所などの施設を利用できるようにしたりしています。
 
「東京都無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例」第2条によると、無料低額宿泊所の範囲は、以下のように定義されています。

・生計困難者を入居対象としていること
 
・入居者のおおむね半分以上が生活保護受給者で、利用契約が賃貸借契約以外の契約であること
 
・上記に加え、居室使用料と共益費を除く利用料を受領してサービスを提供していること

無料低額宿泊所を利用する際にかかるコストは?

厚生労働省がまとめた「無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査結果について(令和2年調査)」によると、全国の無料低額宿泊所すべてで食事のサービスを提供しており、平均受領月額は3万1960円となっています。
 
うち、3食提供している施設が51.9%、2食提供している施設が34.3%、1食提供している施設が0.6%、食材のみ提供している施設が13.2%です。
 
食費以外の費用を受領している施設の平均受領月額は2万2133円で、生活支援費用の内訳は、表1のようになっています。
 
表1

総数 光熱水費 共益費 日用品費 生活支援費用等 その他
施設数 591 499 327 72 417 52
割合 84.4% 55.3% 12.2% 70.6% 8.8%
平均受領月額 2万2133 円 9704円 5529円 2399円 1万4551円 3760円

※厚生労働省「無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査結果について(令和2年調査)」を基に筆者作成
 
「食費」と「食費以外の費用」の平均受領月額を合計すると、無料低額宿泊所を利用した場合、月に5万4093円かかることが分かります。
 

無料低額宿泊所を利用している生活保護受給者の割合は?

同調査によると、無料低額宿泊所の利用者数1万6397人のうち、1万5183人が生活保護受給者であることが分かっています。
 
年代別の内訳は、表2の通りです。
 
表2

総数 40歳未満 40~65歳未満 65~75歳未満 75歳以上
被保護者数(割合) 1万5183人 1112人
(7.3%)
7097人
(46.7 %)
4912人
(32.4%)
2025人
(13.3%)

※厚生労働省「無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査結果について(令和2年調査)」を基に筆者作成
 
施設利用者のうち、生活保護受給者の割合は非常に高く、なかでも「40~65歳未満」と「65~75歳未満」の割合が多くなっています。
 

無料低額宿泊所は生活保護受給者も利用できる

無料低額宿泊所は生計困難者を入居対象としているため、生活保護を受けていてもなお生活が苦しいようであれば、利用が可能です。
 
実際に、施設利用者の多くが生活保護を受給していますので、空き状況や月々かかる費用について調べてみるとよいでしょう。
 
「食費」と「食費以外の費用」を受領している施設でも、月平均5万円程度の費用で入居できる可能性があります。
 

出典

デジタル庁 e-GOV法令検索 無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準 第一章 総則(趣旨)第一条
東京都 東京都広報 2019.12.25増刊第147号 条例 東京都条例第八十一号 第一章 総則 (用語の定義)第2条(2ページ)
東京都福祉局 無料低額宿泊所(宿泊所)とは
厚生労働省 無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査結果について(令和2年調査) 1.基本事項
(3)定員数及び年齢区分別の入居者数、被保護者数(1ページ)
(9)食事を提供している施設数及び平均受領月額(2ページ)
(10)食費以外の費用を受領している施設数及び平均受領月額(3ページ)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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