更新日: 2019.09.02 その他暮らし
奨学金の返済が厳しい。返還期限猶予を利用したいけど審査は厳しいの?
「返還期限猶予」や「減額返還」を利用する前にこれらのことを知っておきましょう。
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/
「返還期限猶予」とは
事情があって返還が困難な場合、願い出により承認されれば、返還を先延ばしにすることができます。先延ばしにできるだけですので、本来返還すべき元金や利息は変わりません。一度の申請で猶予されるのは1年間です。継続して受けるには、毎年、申請が必要です。原則、適用期間は最長10年です。
猶予が認められる事由として、傷病、災害、経済的困難、新卒等、産前休業・産後休業および育児休業などの事由が定められています。収入制限は給与所得者であれば、年収300万円(税込)以下、給与所得者以外は年間所得金額200万円以下が基準となります。
なお、猶予期間期間中は利息が増えたり(第二種奨学金の場合)、延滞金が発生したりすることはありません。
申請事由によって条件が異なる
例えば、「傷病」による猶予の場合、年収200万円(所得金額130万円)以下と条件が厳しくなっています。「延滞措置猶予」も同様に厳しくなっています。
一方、「傷病」の状態が続く限り10年の上限がなく、何年でも猶予申請が可能です。その他、「災害」「生活保護受給中」「産休・育休」「在学中」「海外留学」なども制限年数はありません。また、奨学金の申込時に猶予年限特例又は所得連動型無利子奨学金に採用された方の「経済的困難」「新卒等」による場合も制限年数はありません。
なお、「傷病」で支払いが困難になったときの年収が250万円の場合、「傷病」による猶予は利用できませんが「経済的困難」による猶予の申請は可能です。その他の事由に関しては日本学生支援機構「返還のてびき」でご確認ください。
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収入制限を超えてしまったら
年収300万円(年間所得200万円)という収入基準を超えてしまっても「特別支出」に該当すれば、収入(所得)から「特別支出」を控除できるので、返還期限猶予が認められる場合があります。
「特別支出」には、奨学生本人の被扶養者に係る控除(被扶養者1人あたり38万円)、奨学生本人の被扶養者でない、親への援助(年間38万円を上限に実費を控除)、奨学生本人の被扶養者でない、他の親族への援助(年間38万円を上限に実費を控除)、奨学生本人にかかる医療費(年間96万円以内)、奨学生本人の被扶養者への医療費(年間96万円以内)、「災害」事由で申し出る場合の控除経費(奨学生本人が支払った住宅取得費、自宅修理費、車・家財購入経費)があります。
例えば、配偶者と子ども2人を扶養する場合、年収414万円(所得314万円)以下であれば「返還期限猶予」を申請することが可能です。
申請には証明書類が必要ですので保管しておきましょう。必要な証明書類については、日本学生支援機構「返還のてびき」で確認しておきましょう。
「減額返還」とは
減額返還制度は、災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難な方の中で、当初約束した割賦金を減額すれば返還可能である方を対象としています。
願い出により承認されれば、一定期間、当初約束した返還月額を2分の1又は3分の1に減額できます。減額返還適用期間に応じた分の返還期間が延長されます。つまり、2分の1減額の場合は2倍に、3分の1減額の場合は3倍に返還期間が延びます。
適用期間は1年で、最長15年まで延長が可能です。減額期間中は利息が増えたり(第二種奨学金の場合)、延滞金が発生したりすることはありません。なお、返済総額は変わりません。「返還期限猶予」と異なり、延滞している場合は利用できません。
減額期間中に2回続けて振替不能になった場合は、延滞発生時に遡って減額返還の適用が取り消しになりますので注意しましょう。
対象となる収入(所得)は年収325万円(所得金額225万円)以下と、「返還期限猶予」よりも25万円高くなっています。また、「返還期限猶予」と同じく「特別支出」による控除があります。
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。