更新日: 2024.03.21 その他暮らし

持ち家も車もあるのに「生活保護を申請する」という知人。その状態で審査に通るのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

持ち家も車もあるのに「生活保護を申請する」という知人。その状態で審査に通るのでしょうか?
「資産を所有している人は生活保護を受給できない」というイメージがある方も多いと思います。
 
持ち家も車もあるのに生活保護を申請しようとしている知人がいると「申請しても通らないのでは?」と不思議に思われるでしょう。
 
本記事では、生活保護の受給条件とともに、持ち家と車を所有していても生活保護を受けられるケースについてご紹介します。
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生活保護の受給条件とは?

生活保護は利用し得る資産や能力、その他あらゆるものを活用しても、世帯収入が最低生活費に満たない場合に適用されます。
 
最低生活費とは国が定める基準で計算されるもので、年齢や世帯人数・住んでいる地域などによって異なります。厚生労働省によると「資産や能力、その他あらゆるものの活用」とは、具体的に以下のようなことと記しています。


・生活に利用されていない土地や家屋などがあれば売却して生活費に充てる
・働ける場合は能力に応じて働く
・年金や手当などを受けられる場合は優先する
・親族などから援助を受けられる場合は受ける

上記を活用したうえで収入が最低生活費を下回っている場合、その差額が保護費として支給されます。
 

持ち家を所有していても生活保護を受けられるケースは?

上記でご紹介した通り、不動産については売却することが原則です。
 
しかし、厚生労働省が公表している受給要件では「生活に利用されていない家屋や土地があれば売却」とされており、居住用に使用している家屋と土地については、保有したままでも生活保護を受けられる可能性があります。
 
ただし、持ち家を売却する場合の資産価値が、利用価値と比べて著しく大きい場合は、売却してその利益を活用したうえで、保護の対象となるかどうかを判断することになります。
 

車を所有していても生活保護を受けられるケースは?

自動車も資産となるため原則処分する必要がありますが、一部所有を認められるケースもあるため、確認しておきましょう。例として、以下のようなケースでは車を所持しながら生活保護を受けられる可能性があるとされています。


・障がいのある方が自動車で通勤する場合
・公共交通機関の利用が著しく困難でありながら、通勤や通院・通所・通学に自動車が必要な場合
・個人事業を営んでいて、その営業のために自動車が必要となる場合
・子どもを保育園などへ送迎してから勤務するにあたって、車が必要な場合

自分が上記などの条件として当てはまるか不明な場合は一度お住まいの地域を所管する福祉事務所に相談してみることをおすすめします。
 

持ち家と車があっても事情によっては生活保護を受けられる可能性はある

生活保護の受給要件には「あらゆる資産を活用すること」とありますが、持ち家や車については、事情により所有したままでも生活保護を受けられる可能性があります。
 
もし、周囲に持ち家も車も所有していながら生活保護を申請しようとしている人がいるとしたら、保有が認められるケースに該当していることも考えられるでしょう。
 

出典

厚生労働省
生活保護制度
社会保障審議会-福祉部会 生活保護制度の在り方に関する専門委員会 説明資料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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