更新日: 2024.04.08 その他暮らし

経営者でお金持ちの友人が「中古のベンツ」に乗っています。なぜ新車を買わないのでしょうか?

経営者でお金持ちの友人が「中古のベンツ」に乗っています。なぜ新車を買わないのでしょうか?
経営者のなかには、ベンツをはじめとした高級車を中古で買う人もいます。これは、中古で買うほうが税金の計算上有利になりやすいという理由もあるでしょう。
 
本記事では、経営者が節税として中古のベンツを購入する理由について、減価償却の観点から解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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経営者が中古ベンツに乗る理由

一般的に、中古車よりも新車のほうが資産価値は高いです。お金があるにも関わらず、ベンツでも新車ではなく中古に乗っている経営者を見ると「なぜだろう?」と思うこともあるでしょう。経営者があえて中古のベンツを購入するのは、「税法上、そちらのほうが有利だから」というのが理由の一つと考えられます。
 
事業の用途で車を購入した場合、「毎年価値が減少する」という計算をするために減価償却を行います。減価償却を行い、車の価値が減少した分は経費計上できます。経費が増えれば利益を圧縮できるため、税額も減るというスキームです。
 
以下のように、新車よりも中古車は法定耐用年数が短いため、中古車のほうが経費計上できる(減価償却できる)金額が高いのです。

●新車:6年(軽自動車は4年)
●すでに法定耐用年数の期間を過ぎて利用されている中古車:(法定耐用年数×20%)※
●法定耐用年数の期間内で利用されている中古車:(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×0.2)※

 
※1年未満の端数は切り捨て

例えば、1000万円で新車を購入すると、耐用年数は6年なので経費計上できる金額は167万円です(定額法の場合)。1年落ちで1000万円の中古車を購入すると、耐用年数は5年なので経費計上できる金額は200万円となります。
 

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あまり羨ましくないかも…… 「節税」で車に乗るデメリットとリスク

節税手段の一つとして、中古車の購入は検討すべき選択肢です。しかし、節税を行うためには、利益が出ていることが前提です。
 
赤字の状態であるにもかかわらず車を購入すると、節税効果を得られないだけでなくキャッシュフローが悪化するため、注意が必要です。さらに、車を保有すると維持費がかかる点にも留意しましょう。保険料や自動車税、ガソリン代などの維持コストは軽視すべきではありません。
 
このように、車を購入するタイミングだけでなく、ランニングコストが発生する点は車を購入するデメリットです。特に、ベンツをはじめとした高級車は中古でも価格が高く、保険料も高額になりやすいため、事前にキャッシュフローのシミュレーションを行うことが大切です。
 
なお、社用車をプライベートで使用した分に関しては経費計上できません。例えば、維持費が5万円でプライベートにおける使用割合が2割だった場合、経費計上できるのは4万円までとなります。
 
正しく経費を計上し帳簿で記録をしないと、税務署から指摘を受けたときに追徴課税を受けるリスクがあります。中古ベンツには節税を行えるメリットがあるとはいえ、キャッシュフローへの影響や適正な帳簿付けを行わないと、事業に悪影響をもたらすリスクがある点に留意しましょう。
 

まとめ

経営者があえて中古ベンツを乗っているのには、節税を通じて手取りの利益を増やすという理由があります。減価償却の仕組みを理解すれば、なぜ中古車のほうが高い節税効果を得られるのか理解できるでしょう。
 
ただし、実際に経営者として中古高級車を購入する際には、キャッシュフローや帳簿付けに注意を払う必要があります。「節税したい」という視点だけでなく、中古車のリセールバリューやランニングコストなどにも意識を向けましょう。
 

出典

国税庁 No.2100 減価償却のあらまし
国税庁 No.5404 中古資産の耐用年数
国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表
国税庁 No.2106 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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