更新日: 2024.04.16 その他暮らし

別れた元彼から「今までのプレゼント代30万円を返して欲しい」と言われました。返さないとマズいですか?

別れた元彼から「今までのプレゼント代30万円を返して欲しい」と言われました。返さないとマズいですか?
別れた恋人から「別れたのだから、今までにもらったプレゼント代を返してほしい」と言われた経験がある人がいるかもしれません。
 
「すでにもらったプレゼントを返す必要はない」と考える人もいれば、「返さないとまずいことになるのではないか」と不安に感じる人もいることでしょう。
 
質問のケースのようにプレゼントの返済を求められた場合、返す義務はあるのでしょうか。本記事では、プレゼント代の返済義務の有無について、役立つ情報をご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

プレゼント代は返済義務なしと考えられる

結論からいうと、プレゼント代は「返さなくていい」と考えられます。民法第五百四十九条によると、「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによってその効力を生ずる。」と定められています。
 
つまり元恋人から30万円分のプレゼントを渡された際に、「贈与」が成立していると考えられます。第五百五十条によると、「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りではない。」と定めています。
 
上記より、別れた彼氏は「30万円分のプレゼントをしたのだから返してほしい」とはいえない可能性が高いことが分かります。
 

婚約指輪は返さなくてはいけない

前述の内容はもらったプレゼントに対して広く当てはまりますが、例外もあります。例えば婚約時に渡される婚約指輪に関しては、返さなくてはならない可能性が高いです。
 
婚約指輪を渡すと贈与契約が発生しますが、婚約指輪は基本的に「婚約および結婚することを条件として渡される点」で、通常の贈与契約とは異なります。
 
「解除条件付き贈与」とみなされ、条件が満たされないときは返還義務が発生すると考えられます。民法百二十七条2項には次の規定があります。
 
「解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う」
 
つまり婚約が破棄されると、婚約指輪の贈与契約がなくなり、返却を求められるおそれがあるということです。ただし、本原則が適用されないケースもあります。
 

婚約指輪を渡した側に婚約破棄の原因がある場合は別

前述の説明は、婚約指輪を「受け取った側」に婚約破棄の原因がある場合です。仮に婚約指輪を「プレゼントした側」に落ち度があった場合は、婚約指輪の返却義務はないと考えられます。
 
婚約指輪ではなく結納に関するものですが、プレゼントの授与者が自らの責任によって婚姻不成立の事態を招いたり、正当な事由なしに婚約破棄をしたりした場合に、プレゼントの返還を求められないとされた前例があったようです。
 
ほかにも、婚約破棄の原因が双方にある場合や、双方にない場合など、ケースにより返還義務の有無は変わってきます。状況が難しく判断できない場合は、法律の専門家に意見を求めるといいかもしれません。
 

別れた恋人へのプレゼント代について返済の義務は原則ない

別れた恋人から過去にもらったプレゼントに関しては、「履行の終わった部分(すでに授受が完了したプレゼント)」である可能性が高いため、民法五百五十条を基に「プレゼント代を返す義務はない」といえるでしょう。
 
ただし婚約指輪など解除条件付き贈与については状況が異なります。返還義務が生じる可能性もあるため注意が必要です。
 

出典

e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百四十九条、第五百五十条、第百二十七条2項
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集