石川県で「1人5万円」配分される義援金だけど、生活の再建には不十分?「能登の現状」も踏まえ、本当に被災者に役立つ支援方法を解説

配信日: 2024.04.23

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石川県で「1人5万円」配分される義援金だけど、生活の再建には不十分?「能登の現状」も踏まえ、本当に被災者に役立つ支援方法を解説
筆者は令和6年1月1日に発生した能登半島地震により、石川県能登地方で被災しました。国内外から寄せられる支援に本当に感謝しています。
 
被災地への支援といえば、義援金が頭に浮かぶ人もいるでしょう。代表的なものは、石川県が募集し配分する義援金です。一次配分では、被害の大きかった6市町の全住民に対し、原則として1人5万円が支給されます。
 
このほか親族が死傷したり家屋が倒壊したりすると別途支給されますが、それでも生活を再建するにはじゅうぶんな金額とはいえないでしょう。本記事では、義援金とそれ以外にも考えたい支援方法について紹介します。
二角貴博

執筆者:二角貴博(ふたかど たかひろ)

2級ファイナンシャルプランナー

能登の現状

令和6年早々、最大震度7を記録した能登半島地震と津波の被害が報道されましたが、もう過去のことだと思っていませんか。
 
発災直後は約11万戸が断水し、3ヶ月以上たった4月上旬でも約6000世帯で水が使えません。特に珠洲市ではほぼ全域が断水しています。
 
また、上水道が仮復旧した地域でも、敷地内の配管は所有者の負担で修理しなければなりません。配管工事を行う設備業者には依頼が殺到しているようです。公式発表される数字以上に、水が使えない世帯が多いのが現状です。
 
さらに石川県では住宅の全壊や半壊・一部損壊の被害を受けた住宅の数は7万6000棟にのぼります。避難所で生活する人数は減りましたが、能登から遠くへ広域避難したり、危険な自宅で在宅避難を続けたりする人が多数います。被災地では、まだまだ支援が必要です。
 

1.個人への直接送金・クラウドファンディング

被災地に親戚や友人・知人がいるのであれば、個人への送金をぜひ検討してください。金融機関へ直接振り込むだけでなく、電子マネーやバーコード決済で直接送金できるサービスもあります。キャッシュレス決済は日頃買い物の際に現金を持ち歩かなくて済む便利なツールですが、被災者への直接支援にも役立ちます。
 
また、目的が明確にされているクラウドファンディングもよいでしょう。募集者の人柄や事業内容・支援を受けている状況などを検討して、共感できるものがあれば支援するのも1つの方法です。目標金額を達成した際に、受け取れるリターンも確認してみるとよいでしょう。
 
ただし、支援を受けた側は、事業所得や寄附金として課税される場合があるので注意しましょう。
 

2.義援金

被災地に知り合いの方がいなくても何か支援したい人には、石川県や県内の市町・日本赤十字社などへの義援金がおすすめです。集められた義援金の対象や金額は、義援金配分委員会で決められ、使途が公開されます。人件費や事務費は差し引かれません。
 
ただし、実際に被災者の元へ届くまで時間がかかり、1人当たりの金額が少なくなる場合があります。事業に対する寄附金やクラウドファンディングとは異なり、支援を受けた被災者が課税されることはありません。
 

3.NPOなどへの寄附

NPOなど現地で活動する団体へ寄附すると、特定の活動に限定して支援できます。医療活動や避難所運営・炊き出しなど、支援したい内容や団体が決まっている場合はおすすめです。寄附先が確定申告で寄附金控除を受けられる団体かどうかも確認しましょう。
 

4.ふるさと納税

ふるさと納税をして、財政支援することもできます。被災地の自治体は、道路復旧や被災者の生活支援で復旧費用が必要なため、資金援助を受けると助かるのです。
 
ただし、いったんは自治体の予算(一般会計)に組み込まれてから特定の事業に充てられるので、人件費や事務費にも使われる場合があります。そのため、事業自体に充てられる金額は若干少なくなる可能性がある点には注意しましょう。また、寄付した人はふるさと納税による寄附金控除を受けられるのがメリットです。
 

被災地を忘れないで

被災地に関する報道は、日に日に少なくなっています。過去の災害として忘れないでいてください。金銭的な支援のほかにも、ボランティア活動に参加したり、能登の特産品を購入したりすることも支援になります。
 
石川県内でも被害の少ない地域に旅行で訪れることも支援の1つです。復旧復興には長い年月がかかるので、息の長い支援を検討してくださるとうれしいです。
 

出典

石川県 令和6年(2024年)能登半島地震災害義援金配分委員会について
国税庁 No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)
国税庁 個人が地方公共団体から義援金を受け取った場合の課税関係
 
執筆者:二角貴博
2級ファイナンシャルプランナー

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