更新日: 2024.05.07 その他暮らし

ママ友ランチで「児童手当をもらっていない」という人がいました。年収1200万円以上あるということですか?

ママ友ランチで「児童手当をもらっていない」という人がいました。年収1200万円以上あるということですか?
「うちは児童手当をもらっていないの」とママ友から言われれば「年収が高いのかな?」と考える人は多いのではないでしょうか。しかし、児童手当をもらっていないことが、必ずしも年収が周りよりも高いことを示すわけではありません。
 
本記事では、児童手当の所得制限の仕組みを解説するとともに、児童手当をもらっていない理由として考えられるケースについてまとめました。
FINANCIAL FIELD編集部

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児童手当の所得制限限度額は家族構成などで異なる

児童手当には所得制限限度額が設けられており、手当を受給する養育者の収入が限度額以上あると、児童手当は支給されなくなります。ただし、収入が別途設けられた所得上限限度額未満であれば、特例給付を受け取れます。
 
所得制限限度額・所得上限限度額は一律ではなく、対象の児童を含む扶養親族等の数によって決まるものです。扶養親族等の数ごとの所得制限限度額、所得上限限度額と給与収入に換算した場合の目安を、図表1にまとめました。
 
【図表1】

   
 

扶養親族等の数 所得制限限度額 所得上限限度額
所得制限限度額 給与収入の目安 所得上限限度額 給与収入の目安
0人(前年末に児童が生まれていない場合など) 622万円 833万円 858万円 1071万円
1人 660万円 876万円 896万円 1121万円
2人 698万円 918万円 934万円 1162万円
3人 736万円 960万円 972万円 1200万円
4人 774万円 1002万円 1010万円 1238万円
5人 812万円 1040万円 1048万円 1276万円

こども家庭庁「児童手当制度のご案内」より筆者作成
 
図表1を見ると分かるように、扶養親族等が5人以下で給与収入のみの親の場合、児童手当が支給されなくなるボーダーラインは年収833~1040万円が目安です。児童手当をもらっていない家庭は、年収1200万円以上ある可能性もありますが、それよりも大幅に低い可能性もあると言えます。
 
また、特例給付のボーダーラインを見ても、収入の目安には幅があります。扶養親族等が3人以上(片働き子ども2人、共働き子ども3人など)の家庭であれば、支給が止まるボーダーラインは年収1200万円以上ですが、扶養親族等が2人以下であれば、年収が1200万円未満でも特例給付の支給を受けられなくなります。
 
「児童手当をもらっていない」という1点のみでは、その家庭の年収を推し量ることはできないのです。
 

児童手当から市町村が保育料などを徴収するケースもある

児童手当をもらっていない理由として年収以外に考えられるのが、保育料や給食費などを市区町村が天引きしていて、手元に入る金額が0のパターンです。
 
各市区町村は、独自の判断で児童手当から保育料を徴収できます。幼稚園や保育園は無償化された部分があるとはいえ、子どもの年齢などの条件によっては利用料がかかります。また、受給者が申し出れば、学校給食費などを市区町村が児童手当から徴収することも可能です。
 
児童手当が全額天引きされていれば「手当をもらっていない」と言える状況になることも考えられるでしょう。
 

児童手当は受け取らずに寄附に回すこともできる

児童手当をあえて受け取らず、住んでいる市区町村に寄附することもできます。児童手当をもらっていない家庭のなかには、経済的に余裕があり児童手当を受け取る必要性を感じていない、などの理由で寄附を選択しているケースもあるでしょう。
 
児童手当を寄附すると、地域の児童の健やかな成長の支援に役立てられます。また、寄附をする手続きは難しくなく、誰でも手続き可能です。
 

児童手当をもらっていない家庭にはさまざまなケースがある

児童手当を受け取るには所得制限が設けられており、たびたびニュースなどでも取り上げられるため、周囲にもらっていない人がいると「高い年収をもらっているに違いない」と考えがちです。しかし、所得制限額は家族構成などで異なるため、もらっている家庭と比べてもらっていない家庭の年収が高いとは一概に言えません。
 
また、児童手当から保育料などが天引き徴収されているケースや、寄附を選択しているケースなど、さまざまな事情で児童手当を受け取っていない場合もあることを覚えておきましょう。
 

出典

こども家庭庁 児童手当制度のご案内
大田区ホームページ 児童手当・特例給付(電子申請・郵送申請が可能です)
一般社団法人 全国銀行協会 Q.保育園の無償化とは、費用が一切かからないということですか?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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