更新日: 2024.05.13 その他暮らし
【約30年ぶりの値上げ】2024年秋頃からハガキが「63円→85円」に!定形郵便も100円台へ
そこで今回は、郵便料金がどのように変化してきたか、郵便料金の見直しが必要な理由は何かについて説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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郵便料金はいくらになるのか?
総務省は、25グラム以下の定形郵便物の料金引き上げを行う方針を示しており、これが実現すれば30年ぶりの値上げになるとのことです。上記の値上げも含め、料金の改定は秋ごろを予定しているようです。
現行、25グラム以下の第一種定形郵便物は84円ですが、改定後は110円に引き上げられ、26円の値上げとなります。
現時点で検討されているほかの郵便物の料金も見てみましょう。
●第一種定形郵便物(25グラム):84円→110円(+26円)
●第一種定形郵便物(50グラム):94円→110円(+16円)
●第二種郵便物(通常ハガキ):63円→85円(+22円)
第一種定形郵便物は重量区分をなくし、1区分に統合されるようです。上記から定形郵便物の料金は100円を超え、ハガキの料金も22円の増額が予定されています。
さらに、定形外郵便や特殊取扱郵便などは、+30%ほどの値上げ率を検討しているようです。
郵便料金を見直す理由
郵便法第3条では「郵便に関する料金は、郵便事業の能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含むものでなければならない」と規定されています。
しかし令和4年度における郵便事業は、民営化以降初めて赤字となりました。
今後もデジタル技術の活用による紙の郵便物の減少から、営業収益の減少が続くと考えられています。業務効率化や営業費用を削減しても、現在の物価の高騰などへの対応は難しいようです。
上記の理由から、安定的に郵便事業を提供するために郵便料金を見直す必要があると判断されているとのことです。
郵便料金の変化
次に、郵便料金がどのように改定されてきたかを表1にまとめました。
表1
第一種郵便物(封書など) 定形25グラム以下 |
第二種郵便物(ハガキ) | 備考 | |
---|---|---|---|
昭和56年1月 | 60円 | 40円 | |
平成元年4月 | 62円(+2円) | 41円(+1円) | 消費税3% |
平成6年1月 | 80円(+18円) | 50円(+9円) | 料金改定 |
平成9年4月 | 80円 | 50円 | 消費税5% |
平成26年4月 | 82円(+2円) | 52円(+2円) | 消費税8% |
平成29年6月 | 82円 | 62円(+10円) ※年賀52円据え置き |
料金改定 |
平成30年5月 | 82円 | 62円 ※年賀62円(+10円) |
料金改定 |
令和元年10月 | 84円(+2円) | 63円(+1円) | 消費税10% |
※総務省「郵便法施行規則の一部を改正する省令案及び民間事業者による信書の送達に関する法律施行規則の一部を改正する省令案 郵便料金の変遷と現状」を基に筆者作成
ハガキの料金は、平成6年および平成29年に改定されています。しかし25グラム以下の郵便物は、消費税による改定を除き、平成6年から現在までおよそ30年間、料金の改定は行われていないことが分かりました。
郵便料金の見直しは郵便事業の安定化のため
今回の値上げで今年の秋に25グラム以下の定形郵便物は110円(+26円)、ハガキは85円(+22円)となる予定です。一方で、郵便料が世帯全体(二人以上の世帯)の消費支出に占める割合は全体の約0.1%であり、郵便料金の見直しが家計に与える影響は大きくないかもしれません。
ただし郵便サービスを多く利用する方にとっては、今後の料金改定に注目したいところでしょう。
出典
総務省 資料88-1 郵便法施行規則の一部を改正する省令案及び民間事業者による信書の送達に関する法律施行規則の一部を改正する省令案(諮問第1244号) 1 改正の背景(8ページ)、郵便料金の変遷と現状(30ページ)、(参考)郵便料が世帯全体の消費支出に占める割合(33ぺージ)、郵便料金の見直しの検討(34ページ)
e-Govポータル 郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号) 第一章 総則 第三条(郵便に関する料金)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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