更新日: 2024.05.14 子育て

子育て世帯への支援策 児童手当の拡充について解説

子育て世帯への支援策 児童手当の拡充について解説
政府は「異次元の少子化対策」を掲げ、子育て世帯に対する経済的支援や、子育てサービス、共働き支援、非課税世帯給付金などその他の支援を、具体化しようとしています。また、その一方で、これらの少子化対策の財源を確保するため、国民から「子ども・子育て支援金」を徴収することが、話題の中心となっています。
 
この記事では、経済的支援の主要な位置付けとなる「児童手当」に関して、2024年12月支給分について実施が予定されている内容を、確認してみたいと思います。
高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

支給対象期間の延長

現在の児童手当は、0歳児から中学卒業まで(0歳から15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方に支給されています。
 
2024年12月支給分からは、3年間延長され、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)となります。単純計算では、第1子などの子ども1人当たり36ヶ月で36万円が増額されます。
 

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所得制限の撤廃

現在の児童手当は、受給者になる方(基本的には父母のいずれか一方)の所得が制限を上回る場合(所得制限限度額以上で、所得上限限度額未満)は、「特例給付」という取り扱いとなり、支給額は子ども1人当たり月額5000円となります。
 
所得制限限度額は世帯の構成などで異なりますが、例えば、子ども2人と配偶者を扶養している場合、年収960万円程度が基準となります。
 
また、基準となる年収は世帯で合算した年収ではなく、受給者になる方1人分の年収(通常は父母いずれかの収入が高い方)を基準として判断されます(詳しい所得基準については、こども家庭庁「児童手当制度のご案内」や住所地の市区町村で確認してください)。
 
そして、2024年12月支給分からは、この所得制限が廃止され、支給対象が全員となります。
 

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第3子加算と支給回数に関する変更

現在の児童手当は、3歳以上小学校修了前までの子どもに1万円が支給されますが、第3子以降の子どもについては1万5000円に増額される「第3子加算」の制度があります。この場合に「子ども」としてカウントする期間は高校生までとなっており、第1子が高校を卒業すると、第3子加算が受けられなくなるケースがありました。
 
2024年12月支給分からは、このカウント期間を22歳の年度末まで延長する予定となっています。また、第3子加算の額が3万円に増額されるとともに、支給期間も0歳から18歳までの全年齢となる予定です。
 
さらに、支給回数も現在の年3回(4ヶ月に1回)から年6回(偶数月)に変更される予定です。
 

児童手当の拡充に伴う扶養控除の引き下げ

上記のような児童手当の拡充や延長に伴って、所得税の扶養控除の控除額は、現行の38万円から25万円に、住民税に関しては33万円から12万円に縮小される予定です。
 
仮に、所得税の税率20%が適用される方の場合、所得税額は2万6000円の増額となります。
 

まとめ

政府の子育て世帯への支援策は、この児童手当の拡充を皮切りに、出産費用・保育、育休・時短勤務、高等教育費・奨学金など、さまざまな分野で開始される予定です。家計に直接影響を与える情報ですので、関心を持って見ていきましょう。
 
なお、この記事は2024年4月22日現在の情報を基に記載しているため、支給開始までに変更となる場合があることに注意してください。
 

出典

こども家庭庁「児童手当制度のご案内」
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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