10キロ先にあるスーパーの方が「安い」ため車で行くのですが、「ガソリン代」を考えると本当にお得なんでしょうか?
配信日: 2024.06.11
スーパーの価格差とガソリン代を比較した場合、どちらを優先すると節約効果が高まるのでしょうか。今回は10キロメートル離れたスーパーに行くときにかかるガソリン代と、スーパー同士の商品の価格差が10%ある場合のコストパフォーマンスを比較します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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10キロメートル走行したときのガソリン代はどれくらい?
今回の検証にあたり、以下の条件でコストパフォーマンスを算出します。
●車の燃費は15km/Lミニバン・20km/Lコンパクトカー・30km/Lハイブリッドカーの3パターンで計算する
●ガソリン代は経済産業省資源エネルギー庁が発表する2024年6月3日時点の全国平均価格「174.8円/L」を採用
●スーパーの購入額は総務省統計局が2019年に発表した「2019年全国家計構造調査」より、1ヶ月あたりのスーパーにおける平均支出「3万6729円」を採用
●スーパーの来店頻度は農林水産省が実施した「買い物と食事に関する意識・意向調査」より、最も多かった「1週間に1~2回」を採用し、1ヶ月に8回行くものと仮定
●スーパーの店舗同士の価格差は10%と仮定
なお、今回の計算ではほかのスーパーや小売店には寄らず、1つの店舗に直行した場合で計算します。
車の燃費別で比較
同一距離であっても、車の燃費性能によってかかるガソリン代に違いが生じます。今回は、ファミリーが買い物でよく使う車種として、ミニバン・コンパクトカー・ハイブリッドカーの3つを例に計算します。
今回の条件に当てはめた場合にかかるガソリン代は、表1の通りです。
表1
燃費性能 | 10キロメートル走行したときのガソリン代(174.8円/L) |
---|---|
15km/Lミニバン | 約117円(往復約234円) |
20km/Lコンパクトカー | 約87円(往復約174円) |
30km/Lハイブリッドカー | 約58円(往復約116円) |
※筆者作成
実際の走行では路面状況が整っていないケースも考慮されるため、上記のガソリン代はあくまで目安として参考にしてください。
スーパーの消費額とガソリン代を比較
続いて、10キロメートルを往復した際にかかるガソリン代と、遠いほうのスーパーを選んだ場合の節約効果を比較します。前述した通り、一般家庭におけるスーパーの消費額は、1ヶ月あたり「3万6729円」として計算します。
今回の条件では、遠くのスーパーを選んだ際の商品価格の差は10%、買い物に行く回数は1ヶ月に8回です。「3万6729円×0.9÷8」で、1回あたりに使う購入金額は、およそ4132円の計算となります。
一方、近いほうのスーパーの場合は、およそ4591円で、両者の差はおよそ459円です。つまり、遠いほうのスーパーを選んだ場合に得られる節約効果は、1回の買い物につき約459円であることが分かります。
先ほど計算したガソリン代は往復で約116円~234円です。スーパーで節約できる金額からガソリン代を差し引いても、225円~343円ほどお得です。
したがって、ガソリン代よりもスーパーの価格差を優先したほうが、節約効果は高いといえるでしょう。
近距離ならガソリン代はそこまでかからない
今回の検証で判明したことは、近距離の場合にはガソリン代が意外とかかっていないという点です。買い物に行くときのガソリン代より、スーパー同士の価格差のほうが節約効果として大きい可能性があるため、価格差によっては10キロメートル程度であれば遠いスーパーを選んだほうがよいかもしれません。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査 1.給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油) <調査結果> 6月5日(水)結果詳細版
総務省統計局 2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要 III 購入行動の形態別にみた支出 2 購入先(19ページ)
農林水産省 平成30年度 農林水産情報交流ネットワーク事業 全国調査 買い物と食事に関する意識・意向調査 【調査結果】1 普段の食料品の買い物について (1)お店に出向いて利用する食料品の購入先の状況 ア 利用頻度(1ページ)
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