実母から「お金を貸して」とたびたび頼まれます。私も子どもが2人いて余裕があるわけではないので、どう対処してよいか分かりません…
配信日: 2024.06.24
親子でのお金の貸し借りをどうすべきか迷った場合、いくつか意識しておくべき点があります。本記事では、親へお金を貸すときに役立つポイントをまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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43.2%の人が親へお金を貸した経験あり
株式会社モデル百貨がおこなった、人にお金を貸したことがある男女1000人を対象にしたアンケートによると、両親にお金を貸したことがある人は「432人」いました。そのうち父親へ貸した人は165人、母親へ貸した人は267人でした。割合でいうと、43.2%の人が、親にお金を貸した経験があるという結果です。
また「もっとも多く貸した相手」として、「親」と回答した人は「249人」でした。全体に対する割合は24.9%に上ります。
さらに、もっとも多く貸した相手に「いくら貸したか」尋ねたところ、表1の結果でした。
表1
貸した金額 | 全体に対する割合(%) |
---|---|
1000円未満 | 8.3 |
1000~5000円未満 | 13.5 |
5000~1万円未満 | 9.8 |
1万~3万円未満 | 14.5 |
3万~5万円未満 | 9.5 |
5万~10万円未満 | 11.4 |
10万~30万円未満 | 12.3 |
30万~50万円未満 | 9.6 |
50万円以上 | 11.1 |
※株式会社モデル百貨「貸したお金の平均は約36万円!お金を貸した相手や起きたトラブルを1,000人に調査」を基に筆者作成
なお、貸した金額の平均は全体で36万2870円でした。
親に借金を頼まれたときの対処方法
親からお金を貸してくれるよう頼まれた場合、次の方法を検討しましょう。
1.親の状況を確認する
まず親がなぜお金を必要としているのかを確認しましょう。突発的な出費があって現金が入り用になったのか、それとも不必要な買い物をしようとして困っているのかなど、理由を知ると貸すべきかどうか判断しやすいかもしれません。
また一時的な問題なのか、恒常的なものなのかによっても対応は異なるでしょう。お金の問題が続くようなら、資産整理や公的援助などを検討する手もあります。
2.自身の家庭の状況を考慮する
貸すことにした場合、用意することが可能な金額を把握します。今回のケースのように、自分の家庭にも子どもがいてやりくりが大変であれば、無理のない範囲で対応する必要があるでしょう。
3.貸し借りの条件設定
「いくら貸していつまでに返す」という口約束ではなく、簡単な書面で返済計画を作成しサインしてもらうと、返済の確実性が増すといえます。
贈与扱いにならないよう注意が必要
親にお金を貸す場合、税務署から「贈与」とみなされて贈与税が課されるおそれがあります。国税庁は親子での金銭貸借について、「借入金の返済能力や返済状況などからみて、本当に金銭貸借であると認められる場合は贈与にあたらない」としています。
一方、「利息なしでの貸し借りの場合は利息分について贈与となる」と説明しているほか、「形式上は貸借ながら実質は贈与である場合」や「ある時払いの催促なし」も贈与として取り扱うようです。この点を踏まえると、以下のような貸し借りには贈与税が発生する可能性があるといえます。
・親に利息なしで貸した(利息分については実質的に贈与している)
・貸借契約なしに口約束で貸した(貸借関係がはっきりしない)
・返済期間がはっきりしない状態で貸す(延々と返済せず贈与のようになる)
ただし贈与税には年間110万円の基礎控除が認められているため、大きな金額を貸さなければ心配はいらないかもしれません。
親であってもお金の貸し借りは慎重に
親に借金を頼まれた場合、心情的に「お金を貸したい」と思うとしても、慎重な判断が必要です。親がお金を必要とする理由と、自分の経済的余裕を検討し、貸すときには借用書などの契約書を作成して貸借関係を明確にしておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなるでしょう。
出典
株式会社モデル百貨 MoneyGeek 貸したお金の平均は約36万円!お金を貸した相手や起きたトラブルを1,000人に調査
国税庁 No.4420 親から金銭を借りた場合
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー