公立小中学校で「ペーパーレス化」がすすんでいる!?「学校のお便り」はもう紙で届かないの?
配信日: 2024.07.06
今回は、教員・児童生徒・保護者間の連絡手段について、どれくらいの割合でペーパーレス化されているのか、またペーパーレス化によってどれくらいのコスト削減が見込まれるのかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
公立小中学校のペーパーレス化(デジタル化)の状況
ペーパーレス化の対象となる業務は、大きく以下の3点です。
・教員と保護者間の連絡
・教員と児童生徒間の連絡
・学校内の連絡
それぞれの業務の内容・ペーパーレス化の進捗状況について、見ていきましょう。ここでは、デジタル化とペーパーレス化を同じ意味合いとしてまとめています。
教員と保護者間の連絡
教員と保護者間の連絡業務におけるペーパーレス化の進捗状況は、表1の通りです。
表1
業務内容 | ペーパーレス化進捗率 |
---|---|
児童生徒の欠席・遅刻・早退連絡 | 58.4% |
保護者への調査・アンケート | 51.3% |
学校から保護者へ発信するお便り・配布物 | 32.9% |
※文部科学省「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト ~学校・教育委員会の自己点検結果~[確定値]」を基に筆者作成
なお、ペーパーレス化進捗率は、業務内容ごとに「完全にデジタル化している」「 一部している(半分以上)」の割合を合計したものです。児童生徒の出欠連絡・保護者への調査およびアンケートについては、約半数の公立小中学校でペーパーレス化がなされています。
教員と児童生徒間の連絡
教員と児童生徒間の連絡業務におけるペーパーレス化の進捗状況は、表2の通りです。
表2
業務内容 | ペーパーレス化進捗率 |
---|---|
児童生徒への調査・アンケート | 44.8% |
授業中の小テスト | 34.2% |
児童生徒への各種連絡 | 23.0% |
※文部科学省「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト ~学校・教育委員会の自己点検結果~[確定値]」を基に筆者作成
教員と児童生徒間の連絡においては、「教員と保護者間の連絡」「学校内の連絡」と比較して、ペーパーレス化の進捗が低くなっていることが分かります。
学校内の連絡
学校内の連絡業務におけるペーパーレス化の進捗状況は、表3の通りです。
表3
業務内容 | ペーパーレス化進捗率 |
---|---|
職員間の情報共有・連絡 | 71.9% |
職員会議などの資料 | 67.3% |
教職員への調査・アンケート | 57.6% |
※文部科学省「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト ~学校・教育委員会の自己点検結果~[確定値]」を基に筆者作成
学校内の連絡は、もっともペーパーレス化が進んでいる分野であることが分かります。「職員間の情報共有・連絡」では、約7割の学校がペーパーレス化を取り入れているようです。
ペーパーレス化の3つのメリット
公立小中学校がペーパーレス化を行うメリットは、以下の3点です。
・コスト削減
・業務効率化
・セキュリティー対策強化
コスト削減としては、紙を使用していたときに比べて「コピー機費用」「印刷用紙代」「印刷・コピー時のトナー・インク代」「事務員の人件費」などが大幅に削減されます。さらに、各種配布資料などをペーパーレス化することで、資料の印刷・コピー・配布などの業務が不要となり、業務効率化が図れるでしょう。
セキュリティー対策としては、紙の場合資料を紛失してしまうリスクがありましたが、ペーパーレス化することで、そういったリスクも軽減できる可能性があります。
印刷物にかかるコストはどのくらい?
次に、学校の印刷物にかかるコストがどれくらいなのか、目安額を解説します。印刷を行うにあたって必要となるコスト(年間)は、以下の通りです。
・ハード費用(コピー機):約100万円/台
・トナー代:約6万円/個×3個(年間)=約18万円
・紙代(A4サイズ):約1円/枚×約3万枚(月間)×12ヶ月=約36万円
上記を合計すると、コピー機代も込みで年間約154万円のコストがかかることが分かります。合計金額を1枚あたりに換算すると、4円ほどです。
プリント1枚にかかる費用は約4円|多くの公立小中学校でペーパーレス化が推進されている
多くの公立小中学校では、ペーパーレス化(デジタル化)が進んでいるようです。特に職員間の情報共有・連絡は70%以上の学校で、ペーパーレス化されています。
また、プリント1枚あたりにかかる費用目安は4円ほどです。ペーパーレス化が進むことで、印刷物にかかるコスト削減が期待できるでしょう。
出典
文部科学省 GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト ~学校・教育委員会の自己点検結果~[確定値](3~6ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー