「自転車専用レーン」を走行中、少し先に車が止まっていた! これって「違反」にならないの? 罰則もあわせて解説
配信日: 2024.07.26
本記事ではそもそも自転車専用レーンとはなにか、駐車したら違反になるのか? 違反になる場合の理由や罰則などを元警察官の筆者が解説します。
執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
そもそも自転車専用レーンとは
一般的に自転車専用レーンと呼ばれているものは、大きく「自転車道」と「自転車専用通行帯」に分けられます。自転車道は縁石や柵などで車道と分けられていますが、自転車専用通行帯は縁石などで区切られておらず、自転車が通行しなければならないレーンです。
ほかにも、自転車走行指導帯(自転車ナビマーク・自転車ナビライン)と呼ばれるものもありますが、道路にわかりやすくペイントがされているだけで普通の車道と変わりはないため、本記事では割愛します。
自転車専用レーンへの駐車は交通違反になる?
自転車専用レーンへの駐車は、自転車道または自転車専用通行帯の違いで交通違反になるかどうかが異なります。
自転車道への駐車
自転車専用レーンへの駐車を説明するまえに、駐車方法について若干補足します。車が駐車する際には「道路(車道)の左側端に沿わなければならない」のがルールです。
歩道駐車が駐車違反になるのは、歩道への進入が車道の左側端に沿っていないとみなされるからです。左側端に沿わない駐車は法定駐車違反の一つで、駐車禁止の標識の有無に関わらず常に違反となります。
つまり自転車道は車道ではないため、車が駐車すると「左側端に沿わない駐車」として駐車違反になります。
自転車専用通行帯への駐車
一方で、自転車専用通行帯は車道の一部のため、駐車する際は先ほどの「左側端に沿わない駐車」を守るために、自転車専用通行帯に進入する形で駐車せざるを得ません。そのため、自転車専用通行帯に車が駐車していた場合、それだけでは駐車違反にはなりません。
ただし、自転車専用通行帯が設けられている道路の多くは駐車禁止の標識が設置されています。そのため、自転車専用通行帯に駐車していると駐車違反になるケースが大半を占めるでしょう。
また、設置された標識が駐車禁止だけで駐停車禁止ではない場合は、自転車専用通行帯への「停車」は違反になりません。停車とは人の乗り降りや荷下ろしなどごく短い時間だけ車を止めることを指します。
違反した場合の罰則は?
「左側端に沿わない駐車」で自転車道に駐車した場合は、「駐車禁止場所等違反」になり点数1点、反則金は普通車で1万円です。「放置」による駐車禁止場所等違反は点数が2点、反則金は普通車で1万5000円になります。
「駐車」と「放置駐車」の違いは、運転者が車から離れているかどうかで、車から離れている場合には「放置駐車」となり罰則が厳しくなります。
自転車専用通行帯に駐車した場合(駐車禁止標識がある場合)も、自転車道に駐車した場合と罰則は同じです。
まとめ
自転車専用レーンは「自転車道」と「自転車専用通行帯」があり、自転車道への駐車は駐車違反になりますが、自転車専用通行帯への駐車は駐車禁止標識がないと駐車違反になりません。また、駐車禁止標識が設けられていても停車は可能であるため、短時間の荷下ろしなどでは違反にならないことがあります。
駐車違反は警察官でも現場で頭を悩ませることがある難しい違反です。自転車専用レーンに車が止まっていて通行妨害だと感じるのであれば、110番通報で警察を呼んで判断してもらうのが確実です。
出典
e-Gov法令検索 道路交通法
埼玉県警察 交通違反の点数・反則金等の一覧表
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士