更新日: 2024.08.01 その他暮らし

居酒屋に「3ヶ月漬けレモンサワー」というドリンクがありました。これって”密造酒”に該当しますか?

居酒屋に「3ヶ月漬けレモンサワー」というドリンクがありました。これって”密造酒”に該当しますか?
近年のレモンサワー人気の上昇から、多くの居酒屋で焼酎にレモンを漬け込んで「自家製レモンサワー」として販売するケースが増えています。しかし、そこで気を付けたいのが「酒税法」です。
 
アルコールをゼロから発生させる自家製酒は取り締まりの対象ですが、すでにアルコールとして販売されているリキュールにフルーツを漬け込む場合はどうなのでしょうか。本記事では、自家製リキュールが酒税法でどのように扱われているのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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自家製リキュールは事前の申請が必要

結論として、既存のアルコール類にフルーツを漬け込んで新しい商品として売る場合、酒税法における例外措置として事前に申請すれば製造・販売が許されています。ただし、これには条件が課されており、基本的に飲食店や宿泊業を営む方にしか許されていません。
 
自家製リキュールの販売が許される条件は、以下の通りです。

●酒税が課税済みかつアルコール度数が20度以上の蒸留酒を使う
●米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえもしくはでん粉またはこれらのこうじを混和していない
●ぶどうを混和していない
●アミノ酸、ビタミン類、核酸分解物、有機酸もしくはその塩類、無機塩類、色素、香料または酒類のかすを混和していない
●ほかの酒類を混和していない
●年間で1キロリットルを超えて蒸留酒を混和していない
●営業場内でのみ混和を行っている
●営業場内の飲用を目的として製造している

上記で記述している食品類は、含まれる糖分や酵素が新たにアルコールを生成する可能性があるため禁止されています。よって、アルコールの生成を促さないレモンや梅は使って問題ありません。
 

条件をクリアしなければ無許可製造・密造酒として処罰される

居酒屋で蒸留酒を使って、自家製レモンサワーを販売する場合は原則として問題ありませんが、以下のようなケースでは上記の条件を満たさず酒税法に抵触する可能性があります。

●開始申告書を税務署に提出していない
●ワインや日本酒に食品を漬け込んで作っている(サングリアなど)
●製造したレモンサワーをパッケージングしてテイクアウト商品にしている
●自宅で作ったものを店内に持ち込んで販売している

上記のようなケースで酒税法に違反した場合、第54条によって10年以下の懲役または100万円以下の罰金が、第56条によって1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
 

直前に作るカクテル類なら大丈夫な場合もある

酒類の混和に上記の条件が必要なら、お酒同士を混ぜて提供する「カクテル」は違法になってしまいます。しかし、酒税法第43条第10項において「消費の直前に混和して提供される酒類は混和とみなさない」とされているため、例外的にカクテルは許されています。
 
例えば、サングリアでも事前にワインにフルーツを漬け込まず、直前に混ぜて「サングリア風」にする分には問題ないのです。
 

個人で作るお酒はどこまで許される?

今回のケースのような居酒屋ではなく、個人が家庭で作る場合、前述した製造に関する条件をクリアすれば個人でも酒税法に違反しません。例えば、今回のようなレモンサワー用の漬け込み焼酎や梅酒といった混和して作るリキュール類は、法律に抵触しない可能性は高いといえるでしょう。
 
ただし、個人の場合で許されるのは「製造」のみであり、作ったものを営利目的で販売することは許されていません。
 
また、酒税法施行令第8章第50条第13項において自家製のリキュール類は「自ら消費するため」と規定されており、同居の親族までしか範囲に含まれません。そのため、友人から依頼されて梅酒を作った場合、非営利目的だったとしても違法となります。
 

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自家製酒の扱いは慎重に

料理と違い、お酒の製造や販売は酒税法によって厳しく罰せられます。居酒屋でお酒の新メニューを売り出す際は、製法や販売方法が酒税法に違反しないか確認することが必要です。
 
特に近年は新メニューをSNSで拡散して集客を狙うケースも散見されるため、法律に抵触する行為だった場合、そのことがあっという間に広まってアカウントが炎上し、営業に影響が出るかもしれません。お酒の取り扱いは慎重に行いましょう。
 

出典

国税庁 【自家醸造】 Q1
国税庁 【酒類製造・販売業免許関係(共通)】
国税庁 第43条 みなし製造
デジタル庁 e-GOV 法令検索 酒税法施行令 第8章 第50条 第13項
国税庁 【自家醸造】 Q2
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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