更新日: 2019.01.10 家具・片付け
片づけの美学② お片づけを成功させる、ゴール設定と心を潤すご褒美の効用
Text:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
どうしてお片づけをするのですか?
こんな質問をされたら、どうしますか?
「そんなの、片づけしないといけないからに決まっているでしょ」という声が聞こえてきそうですが、ちょっと待ってください!どんなことでも、義務感や○○せねばならない、という発想のみでは、やっつけ仕事になったり、最後までやる気が続かず、息切れしてしまいがちです。
お片づけを義務感やしょうがないからする行動にしないためには、「こんな風に暮らしいたい」「こんなおうちにしたい!」というようなゴールを設定することが役に立ちます。
大きなゴールと小さなゴールを使い分ける?
ゴール設定をする場合、大切なのは、大きなゴールを決めておくことです。
「どんな暮らしをしたいか」「どんな職場環境にしたいか」という、その場を表す雰囲気をあらかじめ想像しておくことは、私たちがそのゴールにたどり着くために、どんなことをしていくべきかという行動を決めるのに役立ちます。大きなゴール設定の利点として、理想を実現しやすくなるという事と同時に、ゴールまで迷わずに進むことができるので、無駄な時間を使わなくて済むという利点があります。これは時間の節約ですね。
大きなゴールが決まれば、それに向けた小さなゴールをいくつもクリアしていけばいいわけです。
小さなゴールとは、「キッチンを使いやすくする」「リビングを居心地よくする」でもいいし、もっと細かくすると「この棚の中を整える」「この引き出しの1つを必要なモノだけにする」ということでもいいと思います。
小さなゴールの場合は、作業にかける時間も決めておくと、より効率的です。「この棚の中を3時間で見直してみる」といった目標設定をしておくと、作業効率が上がるはずです。
ただ、初めから大掛かりな作業をすると、時間がかかってしまい、肉体的・精神的に疲れてしまうでしょうから、まずは小さなところから始めてみるのがおすすめです。
小さな積み重ねが大きな成果を出す。というのは、様々な場面で私たちが直面してきたことですよね。身近なことで例えると、ダイエット。
実はお片づけとダイエットは似ているとよく言われています。
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お片づけとダイエットが似ている。その意味は?
どのあたりが似ているかと言いますと、ファスティング(断食)や〇〇ダイエットにチャレンジをして、急激に体重を減らしたとします。その後、食べられなかった欲求からくる過食と、栄養分の不足からくる筋肉の減少によって、さらに脂肪がつきやすい体になる。という失敗例があるとします。
お片づけも、どっさりとモノを捨てて、急激にスッキリさせてしまうと、あれが見当たらない、これが見当たらない。捨てたんだっけ?どこかにしまったんだっけ?というトラブルが家族の中、職場の中で起こります。そんなトラブルが数回あると、迷惑を被った人が不信感を持ち、新しく購入してくる。その上、「またどこかにやられたら、たまったものではない」と、予備の買い置きまでしてしまう。
そうなると、一旦手放したものがまた新しくやってきて、さらにモノが増えるという現象が起こってしまうのです。新しいモノを買うことが増えるわけですから出費にもなり、お金の無駄遣いにもなってしまいますね。
急激なダイエットがリバウンドしやすいのと同じで、急激なお片づけもリバウンドの恐れがあるのです。ゆっくり、無理のないペースで着実に行っていきましょう!