更新日: 2024.08.19 その他暮らし
会社の仲のよい同僚から「アパートの連帯保証人になって欲しい」と言われました。信頼できる人ではあるのですが正直迷っています…
そこで今回は、アパートの連帯保証人になることのリスクや注意点についてまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
連帯保証人の責任とは?
アパートなどの住居における連帯保証人は、入居者が家賃を滞納した場合に代わりに支払う義務を負います。連帯保証人にほかに「保証人」がありますが、通常の保証人であれば滞納した家賃の支払いは断ることが可能なようです。そのため、連帯保証人は保証人よりも重い責任を負う点に注意が必要です。
連帯保証人の責任が重いとされる理由は、保証人に認められる以下の法律が適用されないためです。
●民法第452条:催告の抗弁
●民法第453条:検索の抗弁
保証人は上記の法律が認められるため、家賃を滞納した場合、まずは入居者に支払いを請求するよう求められます。一方で連帯保証人は、「民法第454条(連帯保証の場合の特則)」によって、保証人に認められる法律の権利を持たないことになります。
結果として、入居者が家賃滞納分を支払えない状況の場合、連帯保証人が代わりに支払わなければなりません。さらに、請求の対象は家賃だけでなく、物件の設備を破損してしまった際の修理費や退去時に支払うべき費用(原状回復費)なども含まれるようです。
連帯保証人は途中で解約できるのか?
すでに連帯保証人になったけれど、責任が重いと聞いて契約を解除したいと考える方もいるかもしれません。結論からいうと、連帯保証人の解約は難しいといわれています。
契約は、入居者と貸主、連帯保証人全員の同意のもと、執り行われます。そのため、入居者と連帯保証人の意向で一方的に契約解除することは難しいようです。解約するには、貸主の同意が必要であるとともに、簡単に契約の変更はできないことを覚えておきましょう。
ただし状況によっては、契約を取り消せるケースもあるようなので、まずは貸主に相談してもいいかもしれません。
連帯保証人になる前に考えること
信頼できる友人や同僚から「連帯保証人になってほしい」と言われた場合、すぐにサインするのではなく、リスクや注意点を考慮する必要があります。
ここでは、連帯保証人になる前に考えておくことをまとめました。
●金銭的リスクを理解しているか
●突然の請求に対応できるか
●長期間の責任を負う覚悟があるか
連帯保証人になる前に、自分の経済状況を把握したうえで、前述した金銭的リスクや突然の請求に対応できるかを確認しておきましょう。「いざとなったら代わりに支払う」との覚悟を持っていても、経済的余裕がなければ実際に支払うことはできないでしょう。契約するアパートの家賃がいくらなのかを併せて確認しておくことが大切です。
また連帯保証人の責任は、入居者が対象のアパートに住んでいる期間は続きます。なかには長期間にわたって責任を負うケースもあるでしょう。入居者が長期間家賃を滞納させてしまった場合には、連帯保証人としての負担もその分大きくなります。
信頼できる友人でも「連帯保証人」になるにはリスクや注意点を十分理解する必要がある
連帯保証人になれば、信頼できる友人や同僚をサポートできますが、その反面、金銭的リスクや責任を伴います。
連帯保証人になる前には、契約内容やリスク、注意点を十分に理解することが大切です。さらに、今の自分の経済状況を慎重に評価し、いざというときに代わりに支払いが可能であるのかを確認しておく必要があるでしょう。
出典
デジタル庁 e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百五十二条、第四百五十三条、第四百五十四条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー