更新日: 2024.08.24 その他暮らし
お寿司の「食べ放題」が焼き肉と比べて店舗が少ない気がします。何か理由があるのでしょうか?
なぜ、おすしの食べ放題は焼き肉の食べ放題と比べて少ないのか、不思議に思っている人もいるでしょう。
本記事では、回転ずしの平均利用金額や焼き肉食べ放題プランとの比較などを参考に、おすしの食べ放題が焼き肉の食べ放題に比べて少ない理由についてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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回転ずしの平均利用金額はいくらぐらい?
マルハニチロ株式会社 コーポレートコミュニケーション部が実施した「回転ずしに関する消費者実態調査2024」によると、回転ずし店で支払う金額の平均は、男性が2018円、女性が1590円ということでした。金額ごとの割合については、表1の通りです。
表1
全体 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
1000円未満 | 6.6% | 3.3% | 9.8% |
1000~2000円未満 | 53.6% | 45.8% | 61.5% |
2000~3000円未満 | 26.1% | 32.1% | 20.1% |
3000~4000円未満 | 9.8% | 13.3% | 6.3% |
4000~5000円未満 | 1.8% | 2.3% | 1.2% |
5000円以上 | 2.1% | 3.1% | 1.1% |
出典:マルハニチロ株式会社 コーポレートコミュニケーション部「回転ずしに関する消費者実態調査 2024」を基に筆者作成
また、回転ずし店で「食べ過ぎた」と感じる金額は男性が3148円、女性が2513円ということなので、男性でも3000円ほど払えば十分おなかが満たされる可能性が高いことが分かります。
焼き肉食べ放題プランとの比較
焼き肉の食べ放題については、お店によってはいくつかのプランが用意されているところも多いようです。いくつかの焼き肉店を例に挙げて、食べ放題プランの値段をまとめました。
・焼き肉店A:3498円~4378円(税込み)
・焼き肉店B:2948円~4708円(税込み)
・焼き肉店C:3498円~6248円(税込み)
焼き肉の食べ放題プランだと、安くても3000円近くする場合が多いようです。回転ずしだと同じくらいの金額を払えばおなかが満たされるようなので、食べ放題にする必要がないのかもしれません。
「おすしの食べ放題」が「焼き肉の食べ放題」より少ない理由は?
おすしの食べ放題が焼き肉に比べて少ないのは、安くてもおなかいっぱい食べられる回転ずしの存在が大きく関係している可能性があります。上記のアンケート結果によると、回転ずしで「食べ過ぎ」と感じる金額が2500~3100円程度でした。一方で、おすしの食べ放題だとそれ以上の価格で提供されている店舗もあるため、食べ放題にするメリットは薄いかもしれません。
そのほかにも、食べ放題を飲食店が導入するには、調理法がシンプルであることが重要なポイントになります。例えば焼き肉だとカットした肉や野菜などを用意すれば客が自分で焼くことになるため、調理そのものに手間や時間がかかりにくいでしょう。しかし、おすしだと握るための手間がかかるので人件費も下げられず、食べ放題には向いていないのかもしれません。
また、食材の原価率をいかに引き下げるかも重要です。肉の原価は高くても、肉以外の食材をたくさん食べてもらうことで原価を下げられる可能性があります。
金融庁によると、原価率を下げられる例として、ラーメンだけで提供するよりも原価の低い餃子とセットにしてもらう方法を挙げていました。このように、原価の低い食材と組み合わせれば利益は得られますが、おすしの場合はこのような戦略を練ることが難しいといえるでしょう。
おすしは「食べ放題」に向いていないと考えられる
回転ずしの平均利用金額は男性が2018円、女性が1590円となっており「食べ過ぎた」と感じる金額は男性でも3148円であることが分かっています。焼き肉の食べ放題プランだと安くても3000円くらいする場合もあるようですが、回転ずしなら食べ放題にしなくても同じくらいの金額でおなかいっぱい食べられる可能性があるということです。
おすしの食べ放題が少ない理由には、安くてもおなかいっぱい食べられる回転ずしの存在があることも関係していますが、そのほかにも、調理に手間がかかることや原価率を下げにくいことなど、食べ放題に向いていない理由があるためであると考えられます。
出典
マルハニチロ株式会社 コーポレートコミュニケーション部 ~マルハニチロ「回転ずしに関する消費者実態調査 2024」~(7ページ)
金融庁 業種別企業の着眼点 2023(令和5年)3月 飲食業 中小飲食業の目利き(決算資料編) その1(31ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー