更新日: 2024.08.24 その他暮らし

アパートの「エアコン」の効きが悪い…10月に退去予定なので”修理せずに放置”してもよいでしょうか?

アパートの「エアコン」の効きが悪い…10月に退去予定なので”修理せずに放置”してもよいでしょうか?
アパートで備え付けのエアコンが壊れた際、退去月が近づいていると修理費用を浮かせるために、大家さんへ報告しないケースもあるでしょう。しかし、暑い時期にエアコンの不調を放置すると、熱中症のリスクも生じるため修理が必要です。
 
エアコンの修理は、状況によって大家さんが負担してくれる場合と自己負担になる場合があるので、確認しておきましょう。今回は、アパートのエアコンが壊れたときの修理費用についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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アパートのエアコンが壊れたときは自己負担?

基本的に、アパート内のものは大家さんの所有物として扱われます。そのため、エアコンが故障した場合も大家さんに依頼すれば修理してもらえるはずなので、依頼しましょう。
 
法律でも定められており、民法第606条によると「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。」とされています。つまり、借り主の過失により故障したなどでなければ、大家さんによる修理は義務となるようです。
 
もし、何度も申請したにもかかわらずなかなか修理してもらえないときは、いったん自分で立て替えて、あとから修理費用を請求できます。こちらも民法第607条の2で定められており、自分で修理ができる条件の一つは「賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき」です。また、差し迫った理由があるときも借り主による修理が可能とされています。
 
ただし、大家さんが取り付けたエアコンでなければ、修理してもらえないケースもあるため、確認しておきましょう。例えば、前の住人が勝手に取り付けたエアコンは、入居した際の契約によっては借り主側が負担する場合もあるようです。
 

エアコンの修理にはいくらかかる?

エアコンの修理費用は、修理を依頼する業者やエアコンの故障度合いなどによって大きく変わります。例えば、A社の故障の原因別料金は以下の通りです。

・電源が入らない(部品交換):1万6500円~3万6300円(税込み)
 
・冷えないもしくはあたたまらない:基板などの交換なら1万6500円~3万3000円(税込み)
 
・リモコンで操作できない:1万1000円~1万6500円(税込み)
 
・水漏れ:部品交換で1万6500円~3万3000円(税込み)
 
・室外機の異音:1万6500円~2万7500円(税込み)

また、購入年数によって修理料金が変動するケースもあります。一度、修理を依頼するメーカーに費用目安を聞いておくことがおすすめです。余裕があれば、複数のメーカーで見積もりを出してもらい、費用の比較をするといいでしょう。
 

暑い時期に故障したらなるべく早く修理した方がいい

暑い時期にエアコンが使えなくなると、熱中症になるリスクがあります。修理費用は一度支払えば終わりますが、熱中症は重症になると後遺症をもたらす可能性もゼロではないようです。
 
一般財団法人日本気象協会「熱中症について学ぼう:熱中症にかかった翌日」によると、熱中症の後遺症としては倦怠(けんたい)感や頭痛が長期間続いたり、脳などの中枢神経障害が引き起こされたりするケースがあるとされています。後遺症をもたらすと生活に影響が出て、通院などの費用負担が継続して必要です。
 
一般財団法人日本気象協会でも、屋内の熱中症予防として、室内の気温を適切に保つことが必要とされています。エアコンが壊れていては適切な気温を保てないので、修理をしてもらうことをおすすめします。
 

アパートのエアコンは大家さんに修理費用を負担してもらえる可能性がある

アパートにもともと付属していたエアコンだった場合、大家さんに依頼すると修理をしてもらえる可能性があります。賃貸において、大家さんの所有物は大家さんが修理する義務があるとされているためです。ただし、自分の過失で壊れた場合は対応してもらえないケースがあるので、注意しましょう。
 
退去が迫っているからと修理を後回しにすると、エアコンが使えず屋内で熱中症になるリスクがあります。熱中症予防は部屋を適切な温度に保つ必要があるため、エアコンは必須です。残り短い期間でも、必ず大家さんに相談して修理しましょう。
 

出典

デジタル庁 e-GOV 法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六条,第六百七条の二
一般財団法人日本気象協会 熱中症について学ぼう:熱中症にかかった翌日
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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