更新日: 2024.08.27 その他暮らし

人里に現れたクマを退治したニュースを見ましたが、退治した人にはどれくらいの報酬が払われるのでしょうか?

人里に現れたクマを退治したニュースを見ましたが、退治した人にはどれくらいの報酬が払われるのでしょうか?
近年、人里へのクマの出没が相次いでいます。人里に現れたクマを退治することは非常に危険な任務です。
 
そのため、自治体では報酬を準備していますが、一体どの程度の報酬が支払われるのか気になるところです。そこで今回は、クマの人身被害件数や駆除奨励金などについてみていきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

クマが「指定管理鳥獣」に指定された

農産物への鳥獣被害を減らすため、多くの市町村では「駆除奨励金」を交付しています。また、ヒグマによる人身被害の増加に伴い、環境省は2024年4月16日に省令を改正し、ヒグマを含むクマ類を「指定管理鳥獣」に指定しました。
 
これにより、地方自治体による駆除対策が国の支援を受けやすくなり、今後の対策の進展が期待されています。
 
従来、国はシカやイノシシの駆除に対して財政支援を行ってきましたが、クマ類については駆除だけでなく、生活圏への出没を防ぐ対策や訓練への支援も検討しており、2024年秋までに自治体への支援開始を目指しています。
 

クマによる人身被害件数

近年のクマ類による人身被害は表1の通りです。
 
表1

被害件数 被害人数
令和3年 80 88
令和4年 71 75
令和5年 198 219
令和6年 45 47

※環境省「クマ類による人身被害について」を基に筆者作成
 
データは7月時点での速報値であるため、令和6年度の被害件数は他年度と比べて少なくなっています。
 

クマ1頭を駆除した場合の駆除奨励金

北海道空知郡奈井江町の猟友会が、クマが出没した際の出動を辞退するという問題が発生しました。その理由の一つに、危険で重労働にもかかわらず、クマが出没した際に出動したハンターに町から支払われる報酬額が低かったことが挙げられています。
 
では、クマ1頭を駆除した場合の駆除奨励金はいくらぐらいなのでしょうか。北海道の主な地域の駆除奨励金は表2の通りです。
 
表2

地域 報酬額
日高町 1頭当たり:2万円
苫前町 1日:2000円
1頭当たり:2歳までは5000円、3歳以上1万円
浦河町 ヒグマ駆除1頭:1万円
ヒグマ出動1回:5000円
紋別市 1頭:5万円

※各自治体のクマ駆除奨励金交付規則などを基に筆者作成
 
この結果から、地域によって駆除奨励金の額が大きく異なることが分かります。
 

クマを駆除できる人

クマを駆除するためには、特定の資格と許可が必要です。以下の条件を満たす人がクマを駆除することができます。これらの資格や許可を取得するためには、各都道府県の担当部署に問い合わせて確認する必要があります。
 

狩猟免許

クマを駆除するためにはまず「狩猟免許」が必要です。狩猟免許は以下の4種類があります。


・網猟免許
・わな猟免許
・第一種銃猟免許
・第二種銃猟免許

クマを駆除する場合、通常は「第一種銃猟免許」または「わな猟免許」が必要となります。
 

許可申請

狩猟免許を取得しただけでは、まだクマの駆除はできません。害獣駆除を行うためには、狩猟を実際に行う都道府県に「狩猟者登録」をした後、環境大臣もしくは都道府県知事に「害獣駆除の申請」を行って許可をもらう必要があります。
 

年齢制限

狩猟免許を取得するためには、網猟免許とわな猟免許は18歳以上、第一種銃猟免許と第二種銃猟免許は20歳以上である必要があります。
 

試験

狩猟免許を取得するためには、知識試験、適性試験、技能試験の3つの試験に合格する必要があります。
 

夜間銃猟安全管理講習

特に夜間に銃猟を行う場合は、「夜間銃猟安全管理講習」を修了することが義務付けられています。
 

クマ駆除奨励金は1万円弱から5万円程度まで、地域によって異なる

クマが人里に出没することが増加しているため、自治体は駆除奨励金を交付し、危険な任務に対する報酬を用意しています。もっとも、報酬額は地域によって異なり、駆除奨励金は1万円弱から5万円程度です。
 
クマの駆除には、狩猟免許と行政からの許可が必要です。人里へのクマの出没が相次いでいる以上、プロに地域の安全を守ってもらうためには、適切な報酬と国の支援が不可欠といえるでしょう。
 

出典

環境省 クマ類による人身被害について[速報値]
日高町 日高町有害鳥獣駆除奨励金等交付規則
苫前町 苫前町ヒグマ駆除事業奨励金交付規則
浦河町 有害鳥獣駆除奨励金
紋別市 紋別市クマ捕獲奨励補助規則
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集