人里に現れたクマを退治したニュースを見ましたが、退治した人にはどれくらいの報酬が払われるのでしょうか?

配信日: 2024.08.27

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人里に現れたクマを退治したニュースを見ましたが、退治した人にはどれくらいの報酬が払われるのでしょうか?
近年、人里へのクマの出没が相次いでいます。人里に現れたクマを退治することは非常に危険な任務です。
 
そのため、自治体では報酬を準備していますが、一体どの程度の報酬が支払われるのか気になるところです。そこで今回は、クマの人身被害件数や駆除奨励金などについてみていきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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クマが「指定管理鳥獣」に指定された

農産物への鳥獣被害を減らすため、多くの市町村では「駆除奨励金」を交付しています。また、ヒグマによる人身被害の増加に伴い、環境省は2024年4月16日に省令を改正し、ヒグマを含むクマ類を「指定管理鳥獣」に指定しました。
 
これにより、地方自治体による駆除対策が国の支援を受けやすくなり、今後の対策の進展が期待されています。
 
従来、国はシカやイノシシの駆除に対して財政支援を行ってきましたが、クマ類については駆除だけでなく、生活圏への出没を防ぐ対策や訓練への支援も検討しており、2024年秋までに自治体への支援開始を目指しています。
 

クマによる人身被害件数

近年のクマ類による人身被害は表1の通りです。
 
表1

被害件数 被害人数
令和3年 80 88
令和4年 71 75
令和5年 198 219
令和6年 45 47

※環境省「クマ類による人身被害について」を基に筆者作成
 
データは7月時点での速報値であるため、令和6年度の被害件数は他年度と比べて少なくなっています。
 

クマ1頭を駆除した場合の駆除奨励金

北海道空知郡奈井江町の猟友会が、クマが出没した際の出動を辞退するという問題が発生しました。その理由の一つに、危険で重労働にもかかわらず、クマが出没した際に出動したハンターに町から支払われる報酬額が低かったことが挙げられています。
 
では、クマ1頭を駆除した場合の駆除奨励金はいくらぐらいなのでしょうか。北海道の主な地域の駆除奨励金は表2の通りです。
 
表2

地域 報酬額
日高町 1頭当たり:2万円
苫前町 1日:2000円
1頭当たり:2歳までは5000円、3歳以上1万円
浦河町 ヒグマ駆除1頭:1万円
ヒグマ出動1回:5000円
紋別市 1頭:5万円

※各自治体のクマ駆除奨励金交付規則などを基に筆者作成
 
この結果から、地域によって駆除奨励金の額が大きく異なることが分かります。
 

クマを駆除できる人

クマを駆除するためには、特定の資格と許可が必要です。以下の条件を満たす人がクマを駆除することができます。これらの資格や許可を取得するためには、各都道府県の担当部署に問い合わせて確認する必要があります。
 

狩猟免許

クマを駆除するためにはまず「狩猟免許」が必要です。狩猟免許は以下の4種類があります。


・網猟免許
・わな猟免許
・第一種銃猟免許
・第二種銃猟免許

クマを駆除する場合、通常は「第一種銃猟免許」または「わな猟免許」が必要となります。
 

許可申請

狩猟免許を取得しただけでは、まだクマの駆除はできません。害獣駆除を行うためには、狩猟を実際に行う都道府県に「狩猟者登録」をした後、環境大臣もしくは都道府県知事に「害獣駆除の申請」を行って許可をもらう必要があります。
 

年齢制限

狩猟免許を取得するためには、網猟免許とわな猟免許は18歳以上、第一種銃猟免許と第二種銃猟免許は20歳以上である必要があります。
 

試験

狩猟免許を取得するためには、知識試験、適性試験、技能試験の3つの試験に合格する必要があります。
 

夜間銃猟安全管理講習

特に夜間に銃猟を行う場合は、「夜間銃猟安全管理講習」を修了することが義務付けられています。
 

クマ駆除奨励金は1万円弱から5万円程度まで、地域によって異なる

クマが人里に出没することが増加しているため、自治体は駆除奨励金を交付し、危険な任務に対する報酬を用意しています。もっとも、報酬額は地域によって異なり、駆除奨励金は1万円弱から5万円程度です。
 
クマの駆除には、狩猟免許と行政からの許可が必要です。人里へのクマの出没が相次いでいる以上、プロに地域の安全を守ってもらうためには、適切な報酬と国の支援が不可欠といえるでしょう。
 

出典

環境省 クマ類による人身被害について[速報値]
日高町 日高町有害鳥獣駆除奨励金等交付規則
苫前町 苫前町ヒグマ駆除事業奨励金交付規則
浦河町 有害鳥獣駆除奨励金
紋別市 紋別市クマ捕獲奨励補助規則
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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