更新日: 2024.09.08 子育て

「お金ないから国立大を目指して」と言われましたが、うちの親は公務員で年収600万くらいだと思います。そんなに大変なのでしょうか?

「お金ないから国立大を目指して」と言われましたが、うちの親は公務員で年収600万くらいだと思います。そんなに大変なのでしょうか?
大学へ進学する際に、国立大学に比べて私立大学のほうが学費は高くなります。施設設備費がかかったり、入学金や授業料が高額に設定されていたりするからです。そのため、親から「国立大学を目指してほしい」と言われることも珍しくないでしょう。
 
とはいえ、子どもからしたら「国立でも私立でもかかるお金に大きな違いがない」「親の年収なら私立の学費を支払うのは困難でないだろう」と考えているかもしれません。
 
なお、大学進学時にかかるのは入学金や授業料だけでなく、一人暮らしをすれば生活費がかかります。親にも生活があるので、無限にお金を出せるわけではないと理解しておきたいところです。
 
本記事では国立大学と私立大学の学費の違いをはじめ、学費が足りない場合の対策として検討したい方法を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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大学の学費は国公立と私立で違いがある

国立大学、公立大学、私立大学に入学時にかかる入学金や授業料、施設設備費は図表1のとおりです。
 


※文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」「2023年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)」「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より筆者作成
 
親の年収が600万円の場合、学費を支払うのが大変かどうかは一概に決めつけられません。進学先が私立大学でも文科系学部と医師系学部とでは、入学金や授業料、施設設備費の差額が倍以上です。
 
収入の中から生活費を支払い、場合によっては住宅ローンの返済などを抱えている家庭も多くあります。進学先として検討する大学にかかる学費がどのくらいなのかを理解し、すべてを親が支払うのは難しそうであれば、借りたり各種制度を利用したりするなどの対策を考えなければならないでしょう。
 

学費以外にも考慮するべき費用がある

大学進学時にかかるお金は、学費だけではありません。自宅を出て一人暮らしをする場合は、賃貸物件の家賃や生活費がかかることも考慮する必要があります。
 
全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)の「第59回学生生活実態調査 概要報告」によると下宿生の1ヶ月あたりの支出合計は12万7500円で、内訳は以下のとおりです。


・食費:2万5880円
・住居費:5万4130円
・交通費:4330円
・教養娯楽費:1万2840円
・書籍費:1500円
・勉学費:1260円
・日常費:7330円
・通信通話料:3190円
・その他:2290円
・貯金・繰越:1万4740円

自宅生の1ヶ月あたりの支出合計は6万4370円で、下宿生の半分の金額です。特に住居費だけで6万6910円の違いがあり、年間で計算すると80万2920円の差が出ます。
 

大学の学費を用意するための対策

親の収入や貯金だけではそれらの費用を用意するのが厳しい場合は、適切な対策を検討してみてください。


・国の教育ローン
・奨学金
・高等教育の修学支援新制度
・直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税

進学先として検討する大学が国立や公立ではなく、私立の場合は高額な費用がかかる可能性が高いでしょう。また、私立に比べて学費のかからない国立や公立でも、自宅生でなければ生活するためにかかるお金の負担が大きいです。
 
対策とはいっても借金をしなければならない場合もあるため、後々のことも考えたうえでもっとも適切な方法を選んでください。
 

実際にかかる学費を事前に正しく把握しておこう

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると二人以上の世帯の月額消費支出は29万3997円です。年収が600万円だったとしても、毎月の消費支出に加えて学費や生活費などを工面するのは決して簡単でないことがわかるでしょう。
 
進学したい大学が決まったら、学費や生活費がどのくらいかかるのかを確認し、親の負担も含めて適切な金策を検討してみてください。
 

出典

全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連) 第59回学生生活実態調査 概要報告
国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
文部科学省 2023年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)
文部科学省 令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について
日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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