更新日: 2024.10.18 その他暮らし

タクシーの「初乗り運賃」が値上がりしましたが、同じ距離を乗るなら「ライドシェア」のほうが安いですか? 路上でタクシーのようには乗れないのでしょうか…?

タクシーの「初乗り運賃」が値上がりしましたが、同じ距離を乗るなら「ライドシェア」のほうが安いですか? 路上でタクシーのようには乗れないのでしょうか…?
2022年から2023年にかけて、タクシーの初乗り運賃が各地で値上げされました。例えば、東京都23区のタクシー料金は、2022年11月14日以降は初乗り料金の上限が420円から500円に値上げされ、233メートルごとに80円だった加算額も「255メートルごとに100円」に改定されています。
 
2023年には、静岡県の一部地域で初乗り運賃の上限が600円から660円に、加算額も「311メートルごとに90円」から「279メートルごとに90円」にそれぞれ改定されています。2024年も値上げの傾向は継続しており、タクシーを利用する頻度が高い人に大きな影響を与えそうです。
 
一方、タクシーと異なる新たな移動の選択肢として注目を集めているのがライドシェアです。ライドシェアが解禁されたことで、タクシーよりも安く移動することができるのでしょうか。本記事ではライドシェアの概要や、タクシーとライドシェアの料金を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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ライドシェアとは

2024年4月8日から、東京、神奈川、愛知、京都の一部地域で、一般ドライバーが自家用車で乗客を目的地まで有償で運ぶサービス「ライドシェア」が解禁されました。今回解禁された制度は「日本型ライドシェア」と呼ばれています。
 
日本型ライドシェアでは、タクシー会社の管理のもと、一般のドライバーが自家用車を利用して有償で乗客を送迎することが可能です。タクシーが不足している地域や公共交通手段が少ない地域での新たな移動手段として注目されています。
 
ライドシェアを利用するには、タクシーのように電話で呼び出したり、路上で捕まえたりすることはできません。配車アプリによる事前手配が必要です。
 
アプリで車を手配し、事前に目的地や運賃を確定させ、支払いは原則としてアプリを使ったキャッシュレス決済でおこないます。
 

日本版ライドシェアの運賃はタクシーと同水準

現行の日本版ライドシェアでは、運賃の設定はタクシーと同じ水準です。海外のライドシェアは、タクシーよりも料金設定が低い傾向にありますが、現行の日本のライドシェアの運賃はタクシーと変わりません。
 
ただし、国土交通省によると、今後は日本版ライドシェアのバージョンアップの推進策として、新たに需給に応じて料金が変動するダイナミックプライシングなどの運賃・料金の多様化が検討される予定です。
 

NPO法人が運営するライドシェアにはタクシーより安いものも

今回導入された日本版ライドシェアの運賃はタクシーと同水準ですが、実はすでに一部のNPO法人が提供しているライドシェアは、タクシーより安く利用することが可能です。
 
京都府の京丹後市では「ささえ合い交通」と呼ばれるライドシェアが運航されています。
 
最初の1.5キロメートルまで480円で、それより遠くに行く場合には1キロメートルごとに120円を加算するという運賃設定です。京都のタクシー運賃は初乗り500円で以降は279メートルごとに100円が加算される設定なので、ささえ合い交通に関しては明らかにタクシーより安い料金設定になっていることが分かります。
 
ささえ合い交通は、交通空白地の移動を助ける目的でNPO法人が運営しているため、今回新規に導入された日本版ライドシェアとは異なる運賃設定になっています。
 

まとめ

日本版ライドシェアの料金はタクシーと同額であり、2024年10月現在ではタクシーから切り替えても劇的にコストが安くなるわけではありません。
 
ただ、今後はダイナミックプライシングの導入など、より柔軟な料金設定がおこなわれる可能性もあります。また、別の選択肢としてNPO法人が運営するライドシェアもあり、今後居住の地域に登場すれば格安でライドシェアを利用することも可能でしょう。
 

出典

国土交通省 タクシー及び日本版ライドシェアにおける運賃・料金の多様化検討会
一般社団法人京都府タクシー協会 運賃改定のお知らせ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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