子どもを私立学校に通わせたいと考えています。小学校から私立に通わせる場合にいくら貯めておく必要がありますか?
配信日: 2024.11.20
本記事では、小学校から私立に通わせる場合にかかる費用や、教育資金を確保する方法を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どもを小学校から私立に通わせる際にかかる費用
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、小学校から高校までにかかる私立の教育費用は表1の通りです。
表1
小学校 | 166万6949円 |
中学校 | 143万6353円 |
高校 | 105万4444円 |
合計 | 415万7746円 |
出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」より筆者作成
小学校から高校までの総学習費は、およそ415万円かかることが分かりました。次に、大学にかかる費用を見ていきます。
文部科学省が公表している「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、私立大学の入学料は24万5951円、授業料は93万943円、施設設備費が18万186でした。大学4年間にかかる費用は、授業料と施設設備費を4倍した額に入学料を足すと、469万467円です。
これに小学校から高校までの総学習費を足すと、小学校から大学卒業までにかかる教育費用は884万8213円となります。
教育資金を確保するための意識がけ
子どもを私立学校に通わせるなら、教育資金を確保するための計画が欠かせません。まずは、私立学校の教育方針や必要な資金を把握し、具体的な金額を見積もることが大切です。
長期的な視点で貯蓄の計画を立て、教育資金に対する不安を軽減し、子どもが安心して学べる環境を整えましょう。
家族で教育方針を話し合っておく
教育資金を確保するためには、家族で子どもの将来の進路について話し合いましょう。私立学校への進学をいつから始めるのか、また医科や歯科、芸術などといった特定の進路、さらには留学を視野に入れるかどうかによって、必要となる資金は大きく異なります。
親は自身の経験や希望する進路に基づいた価値観を持っているケースが多いため、とき家族間での意見が一致しないかもしれません。
しかし、子どもが成長する過程で進路は変わる可能性もあるため、柔軟に考えを共有し、将来に向けた計画を立てることが大切です。家族全員が教育についての認識を共有しておくと、教育資金の準備がよりスムーズに進むでしょう。
教育資金の貯蓄は早めにスタートする
教育資金を効率的に準備するためには、早い段階からの貯蓄が大切です。貯金を始める時期が早ければ早いほど、毎月の積立額が少なくなります。まずは子どもの進路について話し合い、どのくらいの金額が必要かを明確にしたうえで、できるだけ早く貯蓄をスタートさせましょう。
一般的に、高校までの教育費用は日常の生活費から賄うケースが多くありますが、大学進学には大きな額が必要になるため、事前に資金を準備しておくことをおすすめします。
実現できる貯蓄可能額を計算する
教育資金を準備するために、実際にどれだけ貯蓄できるかを明確にしておきましょう。
まずは、月々の収入や支出を整理し、生活費やその他の必要経費を計算します。家計全体を把握しておくと、家庭全体の経済状況を踏まえたうえでどのくらい貯蓄ができるのか考えやすくなるでしょう。
児童手当を教育資金として貯めておくのも一つの手
中学生までの子どもがいる家庭に対して、国が給付する児童手当は、教育資金として役に立つでしょう。手当の給付には所得制限があるものの、利用している家庭は多く見られます。
児童手当の金額は、子どもの年齢や生まれた順番(第1子~第3子など)によって異なります。子どもが生まれてから中学生になるまで手当を貯蓄し続けると、約200万円に達する計算です。
子どもが小さいうちから児童手当を教育資金として貯めていけば、将来の教育資金を確保しやすくなるでしょう。計画的に貯蓄を進めて、私立学校への進学に伴う費用を少しでも軽減してください。
教育費は早めに長期的な計画を立てよう
私立学校に子どもを通わせるためには、小学校から高校までで約415万円が必要で、大学までと考えると総額は約850万円が必要な計算になります。
ただし、通う学校などによって費用は異なるので、家族で進路や教育方針について話し合い、長期的な貯蓄計画を立てましょう。教育資金確保のためには、児童手当を教育資金として活用するのも一つの手段です。
早めに準備を行えば、将来の教育資金に対する不安が軽減され、子どもが安心して学べる環境を整えられるでしょう。
出典
文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査
文部科学省 私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー