大学へ入学金と授業料「130万円」を振り込みましたが、そのあと第一志望校に合格したため「辞退」したいです。費用は返還されるのでしょうか?

配信日: 2024.12.03

この記事は約 3 分で読めます。
大学へ入学金と授業料「130万円」を振り込みましたが、そのあと第一志望校に合格したため「辞退」したいです。費用は返還されるのでしょうか?
複数の私立大学を受験したり国公立大学も併願したりしている場合、先に受験した私立大学の入学金や授業料の納付期限が、第一志望校の受験より先に来るケースがあります。あとで第一志望校に受かると、先に行った入学契約のキャンセルが必要です。
 
入学をキャンセルする際、支払った入学金や授業料がどうなるのか気になる方もいるでしょう。今回は、入学辞退をしたときに入学金や授業料が返還されるのかについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

入学金は返還されないケースが多い

大学を複数受けるにあたって、入学金の納付期限の都合で先に入金したものに関しては、返還されないケースが多いとされています。2006年のケースではありますが、過去に入学金・授業料の返還に関して裁判となり、最高裁にまで至った判例がありました。
 
最高裁判所が公開している当時の結果によると、大学に対して支払う入学金はあくまでも「入学できる地位」を得るための対価を支払う契約になるため、あとから入学をしなくなったとしても大学は返還しなくてもいい、という判決が下されました。
 
実際、2024年11月現在でも、多くの大学で「入学金は返還の対象になりません」と明記されています。
 

授業料は返還される可能性がある

入学金は返還対象になりませんが、授業料だけなら返還してもらえる可能性があります。
 
先ほどの最高裁判所の判例では授業料に関して、入学をするという契約解除が国公立大学の後期日程も終わる3月末を超えていなければ、授業料を返還しない旨の特約は無効になると判決を下しました。
 
そのため、第一志望が国公立大学で後期日程を受験する場合でも、入学辞退が3月末までであれば授業料は返還してもらえる可能性が高いでしょう。大学の公式ホームページに授業料の返還方法について明記している大学もあります。
 
例えば、A大学では授業料や入学に関する諸会費を入金したあとにキャンセルする場合は、入学辞退届とともに入学手続時納付金返還願の提出が必要です。期限は3月31日までとされているので、国公立大学の合格発表後でも十分間に合うでしょう。
 
B大学では、授業料の返還ができるケースとできないケースが記載されています。ホームページによると、基本的に推薦入学で入学を決めた方に対しては授業料の返還ができないとのことです。
 
もし推薦入学により授業料を支払った場合は、返還できない大学もある点に留意しておきましょう。実際の対応は学校により異なるので、分からないときは直接問い合わせることがおすすめです。
 

授業料も返還してもらえないときは専門家に相談することも選択肢の一つ

大学が授業料の返還に関してホームページなどで明記していないにもかかわらず返還してもらえないときは、一度専門家へ相談してみることも検討しましょう。法的な観点から、授業料の返還が可能かを判断してくれます。
 
また、専門家が間にはさまることで、学校側とのやり取りもスムーズになるでしょう。ただし、大学側が一切返還に応じないため納得できず、裁判を起こしたい場合は費用がかかります。進学のための費用も考えて、どこまで求めるかは考えておきましょう。
 

入学金は返還されないケースが多いが、授業料なら返還される可能性が高い

過去に最高裁判所で「入学金は入学する地位を得るための対価」と判断が下されたように、入学金は一度納付すると返還してもらえないケースが少なくないようです。一方、授業料は3月末までであれば、手続きをすると返還してもらえる可能性があります。
 
入学金や授業料の返還に関しては、大学のホームページに書かれているケースもあるので、よく確認しておきましょう。授業料の返還について記載されていないにもかかわらず、大学側が返還要求に応じないときは、専門家への相談も選択肢の一つです。
 

出典

裁判所 裁判例検索 裁判例結果詳細 事件番号 平成17(受)1158 不当利得返還請求事件
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集