「あの頃は…」とバブル時代の話をよく50代上司から聞きます。「昭和」の時代はそんなにすごかったのでしょうか?
配信日: 2024.12.03
しかし、バブル経済はいい面だけではなかったので、バブル時代を理解するためには実態を把握しておくことが大切です。今回は、バブル世代の価値観やバブル時代の特徴などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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バブル世代の価値観とは
「世代別『お金事情』に関する実態調査(松井証券株式会社調べ)」によると、25歳で貯蓄がないと仮定し、収入の半分の価格のものを購入するときの行動について、Z世代(25歳)、ミレニアル世代(35歳)、バブル世代(55歳)の方に質問をしています。
結果、Z世代の方は1位が「貯蓄が貯まったら買う」で48.5%、2位が「安価な類似商品を買う」で21.5%、3位が「ローンして買う」で20.5%でした。一方バブル世代だと、同質問に対する回答は1位が「貯蓄が貯まったら買う」で56.0%、2位は「ローンをして買う」で32.0%、3位の「安価な類似商品を買う」は9.0%でした。
バブル世代とZ世代では、同じ条件でも大きな額の商品を購入するときの価値観に差があることが分かります。バブル世代は、ほしいものは類似商品ではなく、ローンを組んででもオリジナル商品を購入したい、と考えている方がZ世代よりも多いといえるでしょう。
さらに、同調査では「25歳のときに自由に使えた(使える)金額と、貯蓄に回していた(回している)金額」についてもアンケートをとっています。すると、Z世代は自由に使えるお金が月に平均5万1000円、貯蓄に回すお金は月に平均5万9000円だったのに対し、バブル世代は月に使えるお金が平均6万1000円、貯蓄に回すのは月に平均4万1000円と、自由に使えるお金の方が多い結果でした。
同質問では、ミレニアル世代の回答はZ世代とバブル世代の中間にあたる金額であることからも、バブル世代に近づくにつれ、25歳時には貯金よりも消費志向を有している方が多かったと考えられます。
バブル時代の特徴
金融広報中央委員会の「知るぽると」によると、バブル経済とは1980年代後半から1990年代初頭にかけて発生した「実態の価値以上の評価(泡の部分)が生じている経済状態」のことです。バブル時代には株や土地の価格がどんどん上昇していき、一時東京株式市場の売買額が世界一になりました。
内閣府の平成5年度「年次経済報告(経済白書)」によると、1984年年初に1万円台になった株価は、1987年10月半ばには2倍以上の2万6600円に達しています。さらに、同時期に起こったブラックマンデーにより少し下落したあとも上昇を続け、1989年末には3万8915円になったようです。5年間で約4倍の上昇です。
しかし、証券不祥事や企業業績の悪化に伴い、1992年8月には1万4309円にまで下落しました。ピーク時の3万8915円と比較すると、約63%の下落です。
このように、バブル時代には短期間で好景気状態からの転落が起こりました。金融広報中央委員会の定義にあるように、実態以上の評価がされた結果なので、バブル時代がよかったとは一概にいえないでしょう。
バブル時代は一概にいい時代とはいえない
バブル時代当時の価値観だと、お金は貯めることよりも消費することのほうにかける方が多くいました。現在のバブル世代も本物志向が強いといえそうです。Z世代の方からすると、バブル世代の方はお金に対する価値観がかなり異なると感じる方もいるでしょう。
しかし、バブル経済そのものは、本来の価値よりも高い評価が生じた結果起こったものです。「実態のない好景気」なので、50代上司が言うような「いい状態」とはいえないでしょう。実際、バブル時代には短期間で株価の急上昇と急降下が発生しています。
出典
松井証券株式会社 世代別「お金事情」に関する実態調査(PR TIMES)
金融広報中央委員会 知るぽると バブル経済(bubble economy)とは
内閣府 経済財政白書/経済白書 平成5年度 年次経済報告 第2章 第2節
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー