市販の風邪薬と、医者でもらえる風邪薬はどこが違うの? 診察代などを考えたら、市販薬のほうがお得?
配信日: 2024.12.07
市販薬は手軽に手に入る一方で、処方薬は医師による診断を受けた後に適切な薬を処方してもらえる点で安心感があります。本記事では、市販薬と処方薬の違いを比較していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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薬の効果は同じでも成分や量が異なる
医療用医薬品と市販薬が同じ効能・効果を持っている場合でも、成分の種類や含有量が異なるケースは多々あります。例えば、風邪の症状に効く薬であっても、医師が処方する薬のほうが、含まれている成分や配合量は実際に多いのです。
そのため、同じ風邪の症状でも、処方薬のほうがより強い効果を期待できる場合があります。裏を返せば、自己判断で薬を選ぶ際に、効果が似ているからといって余っていた医療用医薬品を代わりに使用するのは、かなり危険な行為だということです。
必ず一度は医療機関を受診し、市販の薬を使いたければ自分の症状を薬剤師に相談して、使用方法を守ることが大切です。
市販と処方の風邪薬どっちがお得?
風邪の際に選ぶ薬には、市販薬と処方薬がありますが、それぞれの特徴やコストを理解して選ぶことが大切です。
市販薬は、薬局やドラッグストアで購入できるため、診察を受ける必要がなく、薬代のみで済むのが特徴です。軽い風邪やすぐに薬を手に入れたい場合に便利といえます。しかし、市販薬は選べる薬の種類や成分が限られているため、自分の症状に最適なものを選ぶには、薬剤師に相談する必要があります。
一方、処方薬は、医師による診察を受けて処方してもらう薬です。そのため、診察料や調剤料が別途必要となりますが、健康保険が適用されるため、自己負担額は3割です。処方薬のメリットは、医師が症状に合った最適な薬を処方してくれる点であり、症状が重い場合や自己判断が難しい場合に頼りになります。
風邪薬においても、軽い風邪の場合には市販薬、症状が悪化している場合や診断が必要な場合は、処方薬のほうが効果的かつ経済的である可能性があります。自分の症状に最適な薬を選ぶためにも、費用や治療内容を考慮した賢い選択が求められます。
病院で風邪薬を処方してもらう際の費用相場
表1では、病院で診察を受け、風邪薬を処方してもらう際にかかるおおよその費用を紹介します。
表1
Aクリニック | 2000円程度 |
Bクリニック | 1070円 |
Cクリニック | 1200~1400円程度 |
Dクリニック | 1100~1200円程度 |
出典:各クリニック公式サイトの情報をもとに筆者作成
初診を受けて薬を処方されるパターンでは、およそ1000~2000円の費用がかかることが分かりました。なお、市販の風邪薬は10日分で1000円前後から販売されています。病院で処方される薬は、医師が診察を通じて症状や体調に合わせた薬を選定しているため、より適切な治療が期待できます。
一方、市販薬は万人向けに作られており、個別の症状や体質に特化していないため、効果が限定的な場合もあるでしょう。つまり、治療効果を重視するのであれば、病院での診察と処方は費用に見合う価値があるといえます。
費用面や利便性を重視する場合は市販薬、確実な診断と適切な治療を求める場合は医療機関を受診するなど、状況に応じた選択が大切です。特に高齢者や持病がある方、症状が複数ある方は、自己判断を避けて、医師の診断を受けることが望ましいでしょう。
風邪薬の市販薬と処方薬の価格は大きく変わらないと考えられる
市販薬と処方薬にはそれぞれ特徴があり、軽い症状には市販薬が便利で、費用も抑えられる場合があります。しかし、症状が重い場合や診断が必要な場合には、処方薬のほうが高い効果を得られる可能性が高いでしょう。
もっとも、風邪薬においては、処方薬と市販薬の価格差はそれほど大きくないため、症状の重さや受診歴に応じた賢い選択をすることで、効果的かつ経済的な治療にできることでしょう。
出典
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 Q1 医師が処方するくすりと市販のくすりはどのようにちがうのですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー