通勤しようと思ったらまさかの積雪…!「ノーマルタイヤ」のまま車で通勤しても運転に気をつければ問題ない?

配信日: 2024.12.08

この記事は約 4 分で読めます。
通勤しようと思ったらまさかの積雪…!「ノーマルタイヤ」のまま車で通勤しても運転に気をつければ問題ない?
冬になって、雪が降る地域に住んでいる人や、降雪地帯を走る予定がある人の場合、スノータイヤを使用する場面が多くあるでしょう。
 
しかし中にはノーマルタイヤのまま雪道走行できないかと考える人もいるようです。今回のケースでは予期しない降雪を前にして、ノーマルタイヤでそのままいけないか思案しています。
 
通勤前という状況では、時間がなくてノーマルタイヤのまま行きたいと思うかもしれませんが、さまざまなリスクを理解しておかなければなりません。
 
本記事では、雪道でのノーマルタイヤ走行について、安全面と法的な面から解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

雪道でのノーマルタイヤ走行は法令違反?

雪道をノーマルタイヤで走行すると、法令違反にあたるおそれがあります。道路交通法第71条第6号には以下の事項を守るようにと規定されています。
 
「道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」
 
各都道府県の公安委員会は、雪道での走行についてさまざまな規則を設けています。その規則を破ると道路交通法に違反することになるでしょう。
 

公安委員会が設ける規則の例

具体的にどのような規則が設けられているか例をご紹介します。福島県道路交通規則と東京都道路交通規則の例です。
 
福島県道路交通規則第11条第1号には以下の規定があります。
 
「積雪又は凍結している道路において、駆動輪(他の車両に牽引される車両にあつては後輪)にタイヤチェーン又は全輪にスノータイヤ(接地面の突出部の摩耗が50パーセント以下のものに限る。)を取りつける等すべり止めの措置を講じないで自動車(小型特殊自動車を除く。)又は原動機付自転車を運転しないこと。」
 
東京都道路交通規則第8条第6号には以下の規定があります。
 
「積雪又は凍結により明らかにすべると認められる状態にある道路において、自動車又は原動機付自転車を運転するときは、タイヤチェーンを取り付ける等してすべり止めの措置を講ずること。」
 
いずれの道路交通規則でも、タイヤチェーンやスノータイヤを使用するなどの措置を講ずることが義務付けられています。道路交通規則については都道府県ごとに若干の違いがありますが、雪道をノーマルタイヤで走行したいのであれば、少なくともタイヤチェーンなど安全措置を講じる必要があるでしょう。
 

法令違反の罰則や反則金

道路交通法第120条では、同法第71条第6号に違反した場合の罰則として「5万円以下の罰金」を定めています。また警視庁によれば、「公安委員会遵守事項違反」に対する反則金として、大型車は7000円、普通車は6000円が規定されています。
 

雪道でのノーマルタイヤ走行は安全面のリスクが高い

安全面についていえば、ノーマルタイヤでそのまま雪道を走行することには多くのリスクがあります。ノーマルタイヤは基本的に雪道や凍結した路面を走行する目的で設計されておらず、滑ってしまうおそれがあるからです。
 
一般社団法人日本自動車タイヤ協会が発表した、スノータイヤ(スタッドレスタイヤ)とノーマルタイヤ(夏用タイヤ)の制動距離指数を比較したテストでは、以下のような結果も出ています。
 
なお、制動距離指数とは、制動距離(ブレーキ作動から完全停止するまでの距離)を100とした場合の比較数値で、ここではスノータイヤ(スタッドレスタイヤ)での制動距離を100としています。
 

積雪路面
・ノーマルタイヤ(夏用タイヤ):160
・スノータイヤ(スタッドレスタイヤ):100
 
凍結路面
・ノーマルタイヤ(夏用タイヤ):156
・スノータイヤ(スタッドレスタイヤ):100

 
スノータイヤよりも指数が約1.5倍も高いノーマルタイヤは、雪道で止まりにくいことを示しています。
 
うっすら積もっている程度だったとしても、リスクがある以上、スノータイヤやタイヤチェーンの使用が望ましいです。また外出先での積雪の可能性を考えると、タイヤチェーンを車内に保管しておくなどの対策が求められます。
 

ノーマルタイヤでの雪道走行は危険かつ法令違反にあたると考えられる

積雪がある状況下にノーマルタイヤで走行することは、道路交通法に違反している可能性があります。また安全面からも推奨されません。万が一事故が起きれば人命が危険にさらされるほか、加害者になれば損害賠償などに発展するかもしれません。走行する必要があるなら、必ずスノータイヤやタイヤチェーンを利用しましょう。
 

出典

e-Govポータル法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第七十一条(運転者の遵守事項) 六、第八章 罰則 第百二十条 十
福島県警察本部 福島県道路交通規則 第3章 運転者の遵守事項 第11条第1号
東京都 東京都道路交通規則 第2章 運転者の遵守事項等 第8条(運転者の遵守事項)第6号
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
一般社団法人日本自動車タイヤ協会 冬用タイヤの必要性-冬には冬用タイヤの装着を-
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集