更新日: 2024.12.08 その他暮らし
爆音で音楽を流しながら走る車…!そんな状態で運転していて「違反」にはならないのでしょうか?
大音量で走行する車は騒音がひどく、不快に感じる人も多いでしょう。そのため今回の相談者のように、法令違反にあたるのではと考える人もいるようです。
本記事では、車で音楽を聴くときの音量について、法律的な観点から情報をお伝えします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大音量で運転すると法令違反? 罰則はある?
結論からいうと、音量によっては法令違反となる可能性が高いです。具体的には、道路交通法第70条で定める安全運転義務に違反するおそれがあるでしょう。
道路交通法第70条は安全運転の義務を規定している
道路交通法第70条には、以下の規定があります。
「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」
周りの音が聞こえなくなるほどの音量で聴けば問題が発生する可能性があります。例えば他の車のクラクションに気づかず、危険が迫っているのに安全運転ができないかもしれません。また緊急車両のサイレンが聞こえず、道を譲れないおそれもあります。警察官の指示が聞こえないケースもあるでしょう。
道路交通状況は刻一刻と変化しており、これらの音や音声は安全運転をするうえで重要なシグナルです。大音量で音楽をかければ危険運転につながりかねず、道路交通法第70条に違反していると判断されるかもしれません。
さらには、自分の車から出る騒音のせいで、他者を危険にさらす可能性も否めません。先ほど挙げた重要なシグナルが聞こえないかもしれないほか、視覚障害者の方が音響式信号機の音が聞こえないおそれもあります。この点も道路交通法第70条の「他人に危害を及ぼさないような速度と方法」に抵触する可能性があります。
イヤホンやヘッドホンの使用ならOK?
「周りに聞こえる大音量だと問題なら、イヤホンやヘッドホンをつけて運転すればよい」と考える人がいるかもしれません。しかしこれも法令違反になるおそれがあります。
道路交通法第71条第6号によると、ドライバーは、都道府県の公安委員会が道路における危険を防止し、交通安全を図るため必要と定めた事項を守る必要があります。この点、イヤホンなどの使用に関して規制をかける自治体は少なくありません。
例えば東京都道路交通規則第8条第5号は、「高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと」としています。
イヤホンやヘッドホン、骨伝導イヤホンなどを使った結果、周りの音が聞こえず注意散漫となり、危険運転につながりかねません。
罰則や反則金の規定
道路交通法第119条第14号によると、同法第70条の安全運転の義務に違反した場合、「3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金」に処せられます。
また同法第120条第10号によれば、第71条第6号に違反した場合の罰則として「5万円以下の罰金」と定められています。
さらに自治体の条例に違反していれば、警視庁より、公安委員会遵守事項違反として反則金6000円(普通車の場合。大型車は7000円)が規定されています。
大音量での走行は違反になる可能性が高い
大音量で車を運転した結果、自分自身や周りにいる人が交通安全に必要な音を聞き取れないことになれば、法令違反を犯している可能性が高いです。その場合は罰則や反則金が科せられるかもしれません。
さらに、イヤホンなどの使用に関して規制をかけている自治体も多いため、運転時に音楽を聴く際は十分に注意しましょう。
出典
e-Govポータル法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号) 第四章 車両等の運転者及び使用者の義務 第一節 運転者の義務 第七十条(安全運転の義務)、第七十一条(運転者の遵守事項) 六、第八章 罰則 第百十九条 十四、第百二十条 十
東京都 東京都道路交通規則 第2章 運転者の遵守事項等 第8条(運転者の遵守事項)第5号
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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