会社のパソコンに「コーヒー」をこぼした! 修理費用は「会社負担」が普通? 給与から引かれる場合もあるのか解説

配信日: 2024.12.08 更新日: 2024.12.09

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会社のパソコンに「コーヒー」をこぼした! 修理費用は「会社負担」が普通? 給与から引かれる場合もあるのか解説
仕事中、うっかり会社のパソコンにコーヒーをこぼして壊してしまったという経験はありませんか? それが原因でパソコンが故障して修理が必要になり、「修理費用を給与から差し引く」と言われたら驚く人は多いでしょう。
 
自分の過失とはいえ、会社の備品の修理費用を自分が負担する必要があるのかと、疑問に思う人もいるかもしれません。本記事では、会社の備品を故障させてしまった場合の対応方法などについて解説します。

会社は備品の修理費を請求できる?

仕事中に会社のパソコンを壊してしまった場合、損害賠償を求められることはあるのでしょうか? 労働者が備品を壊すなどして会社に損害を与えたとき、会社が損害賠償を求めること自体は法律に反していません。
 
ただし、一般的に会社は労働者の業務を通じて利益を得ているため、業務上のリスクを全て労働者に押し付けることはできず、労働者に全額を弁償させることは難しいとされています。
 
実際に従業員が負担する割合は、個々の状況などによって異なりますが、一般的には最大でも25%程度にとどまるといわれています。
 

修理費用を給料から差し引くことはできる?

給与からの天引きについても、法律上のルールがあります。労働基準法第24条には「賃金全額払いの原則」が定められており、原則として会社が給与から何かの費用を差し引くということはできません。ただし、例外として次の場合は給与から差し引くことが認められています。

●別の法律で定められている場合(例:所得税や社会保険料の徴収など)
●書面による労使協定を締結している場合(例:購買代金や組合費など)

たとえ労働者のミスで会社に損害が出たとしても、労働者の合意がないまま一方的に給料から差し引くことはできません。労使協定による合意があった場合でも、損害賠償金のように、誰がどのくらい責任を負うのかがはっきりしない費用については、給料から引くことは認められていないのです。
 

会社の備品を壊してしまったら?

会社の備品を壊してしまった場合、どのように対応するのかは会社によってルールが異なります。
 
備品を壊してしまったら、速やかに上司や総務部に報告し、状況を正直に説明しましょう。そして、会社の就業規則や雇用契約書を確認し、その後の対応を確認します。責任の所在や費用負担がいくらになるのかはケースバイケースです。故意ではなく不注意による事故だった場合は、会社側も労働者の過失を考慮しつつ、柔軟に対応してくれるでしょう。
 
いずれにせよ事実をしっかりと伝えたうえで、会社側と話し合うことが大切です。
 

修理費用を給与から差し引くことはできない

会社の備品を壊してしまった場合でも、修理費用を全額負担する必要があるとは限りません。また、どの程度労働者が負担するのかは、会社と労働者、双方の合意で決まります。会社が一方的に修理費用を給与から差し引くことは、法律違反となることを覚えておくとよいでしょう。
 
備品を壊した場合は、会社の就業規則や契約内容に準じて、冷静に対応することが重要です。不明な点や不満な点があれば、労働基準監督署などの専門家に相談することも視野に入れましょう。会社側としっかり話し合い、納得のいく解決を目指してくださいね。
 

出典

e-Gov 労働基準法
出雲労働基準監督署 賃金控除のNG4選(2)
 
執筆者:山田麻耶
FP2級

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