いつも「給油ランプ」がついてからガソリンを入れる夫。「燃費に影響」するというのですが本当なのでしょうか?
配信日: 2024.12.10
夫が燃費改善に効果があるといって、給油ランプがついてからガソリンを入れている場合、本当に節約につながるのか妻の立場だと気になるかもしれません。
そこで本記事では、給油ランプがついてからガソリンを給油すると本当に節約につながるのかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
給油ランプが点灯する目安と走行できる距離
給油ランプが点灯する目安は、メーカーや車種により違いがあるようです。トヨタ自動車の場合、概ね5~10リットルの残量とされており、車種別の点灯タイミングは取扱書に記載されています。ホンダやマツダなど国産他社においても車種による違いはあるものの、同様の残量で警告灯が表示されるようです。
給油ランプが点灯してから走行できる距離は、路面状況やアクセルワークによって違いが出るとされています。
一般的には、距離にして50キロメートル程度走行できるといわれていますが、同一車種でもタイヤサイズを変更していたり、装備品を付けることによって重量が重くなっていたりする場合、走行可能距離に違いが出る可能性があります。
給油ランプ点灯後に給油してもほとんど燃費は改善されない
給油をタンク容量のギリギリまで減らしてから行えば、燃料の重量を抑えられるため燃費がよくなると考えて、給油を遅らせる方がいるようです。
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団の「エコドライブ10のすすめ」によると、100キログラムの不要な荷物を載せた場合の燃費影響は3%程度と紹介されています。1リットル当たり10キロメートルの燃費の場合、100キログラムの荷物を載せた状態では9.7キロメートル走行できる計算となるでしょう。
ガソリンの重量は、1リットルが約0.75キログラムといわれているため、軽自動車で30リットルのタンクの場合、満タン重量は約22.5キログラムです。
給油ランプ点灯時に5リットル残っている場合の重量は約3.75キログラムですので、満タン時と比較した際に軽くなる重さは約18.75キログラムとなります。100キログラムで3%の燃費影響ですので、約19キログラムの場合、影響度も重量と同じく20%程度と仮定するのであれば、0.6%ほどと考えられます。
このため、走行できる距離は約9.94キロメートルと推定されます。このことから、燃費にはほとんど影響がないと考えられるでしょう。
給油ランプ点灯後に給油を行うリスク
ここからは、給油ランプ点灯後まで給油を行わないことで生じる可能性があるリスクについて、詳しく見ていきましょう。
給油できずにガス欠を起こすリスク
50キロメートルほど走れるとはいえ、給油ランプ点灯後の給油がおすすめできない理由は、ガソリンスタンドの減少と営業時間短縮により、給油できないおそれがあるからです。
資源エネルギー庁の「市町村別に見るSS過疎の状況」によると、2023年3月時点で、ガソリンスタンドが1つもない自治体は8町村、1ヶ所しかない自治体は97町村、2ヶ所しかない自治体は114市町村といった結果が出ています。
燃料ポンプの故障
点灯状態で走行を続けると、エンジンに十分な燃料が供給できず、動作不良につながることがあるようです。また、ポンプが故障するとエンジンが突然停止してしまい、故障の原因にもなりかねません。
燃料ポンプが故障した場合、おおよその修理代としては、部品代と工賃込みで3万円~6万円程度になるようです。このように、給油ランプ点灯まで給油せずに燃料ポンプが壊れてしまうと、大きな出費につながる可能性があります。
給油ランプ点灯後の給油による燃費への影響はわずか! 故障リスクを回避するため小まめな給油を
ガソリンを給油ランプ点灯まで行わなかったとしても、燃費への影響はほとんどないと考えられます。むしろ、車の部品故障につながったり、エンジントラブルにつながったりする可能性があるようです。
ガソリンは余裕を持って給油しておけば、渋滞に巻き込まれた場合やガソリンスタンドが少ない場所を走行する場合にも安心できます。故障リスクを考えて、ガソリンは小まめに給油するようにしましょう。
出典
トヨタ自動車株式会社 燃料が入手できない。燃料残量警告灯のランプが点灯した時点でガソリンは何L残っていますか?
本田技研工業株式会社 燃料残量警告灯
マツダ株式会社 燃料残量警告表示/警告灯
マツダ株式会社 お問い合わせ/FAQ
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団 エコドライブ10のすすめ
資源エネルギー庁 市町村別に見るSS過疎の状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー