2025年に「運転免許証」が「マイナンバーカード」と一体になると聞きました。これまでの免許証は使えなくなりますか?「マイナ免許証」には、なにかメリットはあるのでしょうか?
配信日: 2024.12.12
従来の免許証と比べると交付手数料が安くなるなどのメリットがありますが、デメリットや注意点はあるのでしょうか? 今後はマイナ免許証に切り替えるべきなのか、それともしばらく従来の免許証のままでいいのかも含めて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
従来の免許証は使えなくなる?
結論から言えば、2025年3月24日以降も従来の免許証は使用できます。マイナ保険証は12月2日から現行の健康保険証の新規発行が終了しますが、免許証は当面「2つの免許証が存在する形」となり、下記のいずれかを選択できます。
・引き続き従来の免許証を使用する
・マイナ免許証に切り替える
・従来の免許証とマイナ免許証を「2枚持ち」する
マイナ免許証の発行手続きをしなくても、従来の免許証が無効となり自動車やバイクなどの運転ができなくなるわけではないので安心してください。
マイナ免許証を選ぶメリット
マイナ免許証に変えると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
手続きが便利になる
引っ越しや結婚などで住所や氏名が変わると、現在は自治体で転入や氏名変更の手続きをしたうえで最寄りの警察署や運転免許センターでも手続きをしなければなりません。それがマイナ免許証になると自治体での手続きのみとなるため、警察署や運転免許センターへ行く手間が省けます。
何度も手続きするのは面倒、基本的に各窓口が開いている平日は仕事が忙しく土日は混雑して時間がかかるといった場合は助かるでしょう。
交付手数料が安くなる
マイナ免許証の導入で、免許証の取得や更新にかかる「手数料の見直し」もされる予定です。現在は免許証を更新すると2500円の更新手数料がかかります。これが改正後は2850円となり350円値上げされます。新規取得時にかかる手数料も2050円から2350円となります。
一方、マイナ免許証は更新時2100円、新規取得時1550円となり、それぞれ400円と500円の値下げとなる形です。免許証の取得や更新にかかる手数料負担を少しでも抑えるためマイナ免許証を選ぶ人も増えるかもしれません。
また、マイナ免許証にすると更新の際の優良運転者と一般運転者の講習はオンラインでも受講可能となり、その際の更新時講習手数料は200円と、今より300円以上安くなるのも見逃せないポイントです。
マイナ免許証を選ぶデメリットや注意点
手続きが便利になり手数料負担が抑えられるメリットはありますが、マイナ免許証にするデメリットや注意点はあるのでしょうか。
紛失するとしばらく運転できない
従来の免許証であれば、紛失してしまった場合でも運転免許センターで手続きすると即日発行されますが、マイナ免許証の場合は紛失すると再発行に時間がかかり、長期間運転できなくなる可能性があります。
マイナンバーカードの再発行手続きをする必要があり、手元にカードが届くまでに1ヶ月半程度かかることもあるので注意してください。
有効期限を確認しにくい
現在は免許証の表面を見れば有効期限をすぐに確認できますが、マイナ免許証になるとすぐに分からないのもデメリットと言えるかもしれません。
マイナンバーカード自体の有効期限は記載されていますが、免許証の有効期限は記載されないため、「うっかり失効する」おそれもあります。特に引っ越しで住所が変わった場合はマイナンバーカードの手続きも忘れずに行いましょう。
情報漏洩や悪用リスクもある
マイナンバーカードの個人情報の紐づけミスなどの話題をニュースやSNSなどで見たことがある人も多いかもしれませんが、紛失や盗難、自治体による情報管理ミスなどによって悪用される可能性もゼロではありません。個人では管理しきれない部分もあるだけに、心配な場合はしばらく従来の免許証を持ち続けて様子を見るのも良いかもしれません。
まとめ
本記事では、2025年に運用が予定されているマイナ免許証のメリット・デメリットとともに、従来の免許証は今後も使用できるのか解説しました。
手続きの手間が減り、各種手数料が安くなるのはうれしいですが、個人情報や有効期限の管理などデメリットが考えられるのも事実です。自分自身はどの部分を重視するのか考えたうえで選択していきましょう。
出典
警察庁「道路交通法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令案」等に対する意見の募集について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー