私は満員電車が苦手で毎日「各駅停車」で通勤しています。妻から「時間もかかるし有料着席サービスを使ってもいいよ」と言われました。年間だといくらくらい必要ですか?
配信日: 2024.12.13
そこで本記事では、鉄道会社が提供する通勤や通学に便利な「有料着席サービス」を紹介します。「有料着席サービス」を利用すると、必ず座席に座ることができ、くつろぎながら移動時間を過ごすことが可能です。あわせて、「有料着席サービス」の料金相場や、年間でのコストについても解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
「有料着席サービス」とは
通勤や通学の時間帯を中心に運行されている電車で、座席に必ず座れるサービスが「有料着席サービス」です。サービスの利用時は通常の運賃に加えて、一定の利用料金を支払います。
座席指定券が必要な有料列車はすでに存在します。しかし、近年は一般的な有料列車とは別に、混雑する通勤・通学時間帯に合わせた有料の座席指定サービスとして「有料着席サービス」の提供が各鉄道会社で見られるようになりました。
「有料着席サービス」は「通勤・通学時は座りたい」「通勤・通学時間でもくつろぎたい」といった利用者のニーズに応えるサービスといえるでしょう。
「有料着席サービス」は鉄道会社によってさまざまなサービスがある
鉄道会社の「有料着席サービス」はさまざまで、通勤・通学だけでなくショッピングやレジャー時にも利用可能です。チケットは当日のみならず、1ヶ月間の乗り放題パスが用意されている鉄道会社もあるようです。その他、スマートフォンを使ったチケットレスサービスなどの便利なサービスを提供している鉄道会社もあります。
また、「有料着席サービス」は一般の車両と比べて、座席や設備がグレードアップされていることがあります。具体的には、ゆとりある座席スペースや車いすへの対応、車内のフリーWi-Fi、多機能トイレ・洗面所などです。利用者が移動時間を快適に過ごせるよう、鉄道会社も工夫を凝らしていることが分かります。
「有料着席サービス」の料金は「通常の運賃にプラスして300~500円程度」が相場
「有料着席サービス」の利用料金は、鉄道会社によって異なります。「有料着席サービス」を利用する場合は、通常の運賃に加えて規定の利用料金が必要です。
では、具体的に利用料金はいくらくらいになるのでしょうか。表1に、国内の鉄道会社4社の「有料着席サービス」の利用料金をまとめました。
表1
鉄道会社 | 利用料金 | |
---|---|---|
A社 | 大人・小児 一律500円 | |
B社 | 大人 250~950円(利用区間で変動) | |
小児 130~480円(利用区間で変動) | ||
C社 | 大人・小児 一律300円 | |
D社 | 上り方面 | 大人 470円 小児 240円 |
下り方面 | 大人 370円 小児 190円 |
※筆者作成
大人の場合、「有料着席サービス」の料金は300円から500円程度のものがよく見られます。そのため「有料着席サービス」を利用する際は、通常の運賃に300~500円程度プラスになると考えるとよいでしょう。また、B社のように一律ではなく、利用する区間によって料金が変動するところもあります。
「有料着席サービス」を毎日利用する場合の負担は年間でどのくらい?
ここでは、通勤時に「有料着席サービス」を利用するケースを例として、年間で負担する利用料金がいくらになるかを見ていきましょう。
表1にあるA社の場合、利用料金は一律500円です。この金額を基準に、労働日数を考慮して年間コストを計算します。厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査の概況」によると、令和4年の年間休日総数における労働者1人あたりの平均は115.6日になるそうです。この年間休日総数の平均を115日として365日から引くと、年間の労働日数は250日となります。
上記の利用料金と年間労働日数を基に単純計算すると、年間の負担額は片道で12万5000円、往復では25万円かかることになります。
まとめ
必ず座席に座れる「有料着席サービス」を利用すれば、日々の通勤や通学のストレスを大幅に軽減できるでしょう。
このサービスを利用するには、通常の運賃に加えてサービスの利用料金を支払う必要があります。利用料金は鉄道会社によって異なりますが、300~500円程度の料金設定が一般的な相場のようです。
例えば、通勤時に毎回500円の「有料着席サービス」を利用する場合、片道だけでも年間で12万5000円かかる計算になるため、家庭によっては家計の見直しが必要になるかもしれません。
出典
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査の概況 結果の概要 1 労働時間制度 (3)年間休日総数(5ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー