亡くなった祖父の家からボロボロの「大黒天のお札」が見つかりました。「壱円」との表記がありましたが、今の時代でも「1円」扱いなのでしょうか? また、プレミア価値はありますか?

配信日: 2024.12.12

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亡くなった祖父の家からボロボロの「大黒天のお札」が見つかりました。「壱円」との表記がありましたが、今の時代でも「1円」扱いなのでしょうか? また、プレミア価値はありますか?
大黒天のお札など、古いお札が見つかったらどうしたらよいのでしょうか?古いお札の持つ価値や古いお札がプレミア価値がつく背景を解説します。また、大黒天のお札の取引価格や買い取り価格を高めるポイントも紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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大黒天のお札とは?

明治15(1882)年に日本唯一の紙幣発券機関として日本銀行が設立されました。その後、明治18(1885)年には紙幣として「1円」「5円」「10円」「100円」の4種類のお札が発券されています。
 
この4種類のお札には「大黒天」が描かれていることから、通称「大黒札」として日本で使われるようになりました。日本銀行兌換銀券(にほんぎんこうだかんぎんけん)と書かれていのは、銀貨と交換することが保証されていることが理由です。
 
大黒札のサイズは横13.5センチメートル、縦が7.8センチメートルで当時の写真技術では写りづらい青いインクで印刷されているなど、偽造防止策も施されているのが特徴です。
 
なお、明治18(1885)年以降に発券されたお札は全53種類ありますが、すでに31種類は通用力を失っています。しかし発行が古い大黒札の4種類のうち、「1円券」は現在でも「1円」として使うことが可能です。
 

古いお札はプレミア価値がある?

古いお札は「旧紙幣」や「古紙幣」としてコレクターの間で取引されています。旧紙幣は現在も現金として使用できるお札である一方、古紙幣は通貨として使用できない古いお札です。
 
発券から長い時間が経過し、流通が停止されたために残っている枚数が少ないお札や、発券枚数自体が限られている紙幣は、希少価値が高く評価されます。そのため、お札にはプレミア価値がつけられ、コレクターの間で高値で取引されます。特に記念紙幣や人物を称えた紙幣など、歴史的な象徴が表現されているお札は人気です。
 
また、デザイン性が優れるなど有名な人がデザインに携わったお札は、アートコレクターにも人気があります。このように古いお札はプレミア価値がついて高い値で取引されているのです。
 

大黒天のお札の価値

大黒天のお札は、日本銀行が発券した最初の紙幣であり、その額面以上のプレミア価値を持つお札として取引されています。取引金額の目安は、1円札は数千円~数十万円、5円札と10円札は数十万~百万円、100円札は数百万円~千万円以上です。
 
例えば、個人で売買できるオークションでは、1円札の状態が悪ければ5000円前後で取引されますが、希少ロットなど付加価値が高い場合には45万円前後での取引実績もあります。
 
なお、大黒天のお札の5円札や10円札は、約4年で発行が終了し、枚数も少ないためプレミア価値がついています。100円札は発券された枚数が非常に限られていることから、特に希少価値が高いお札です。
 
日本銀行には見本券が1枚と未引換券が27枚存在していることが確認されています。手元に100円札がある場合、それは非常に高額で取引される可能性のある幻の紙幣となるでしょう。
 

大黒天のお札を高く売るポイント

高く売るためのポイントは「状態の良さ」です。特に未使用品である場合、さらに高い価値が見込めます。折り目や汚れ、破れなどもなく良好な保存状態であることが必要です。
 
また、紙幣に記載されている6桁の番号にも注目してみましょう。若番と呼ばれる「000001」など1桁の番号は非常に希少で高価です。「111111」のようなゾロ目、「100000」のように特定の数字がそろったキリ番、「123456」などの階段番号は、価値が高まります。
 
特に「AA券」と呼ばれ「A000001A」と「A」に挟まれたアルファベットがAに近いお札は、買い取り価格が高くなる傾向があります。また、市場に出回る前に取り除かれるはずの印刷ミスやエラーがあるお札も、プレミア価値がつくほど人気です。
 
高値がつくポイントを押さえてから買い取りを依頼することで、失敗を避けられるでしょう。
 

貴重なお札なので、きれいに保とう

大黒天の1円札は、プレミア価値がつく旧紙幣なため、現金としての利用や銀行で両替などせずに買取業者へ売ったほうがよいでしょう。折ったりせず、きれいな状態を保つことが大切です。
 
どれも同じに見えるお札でも記号・番号によってはさらなるプレミア価値がつく可能性があります。紙幣を隅々まで見て確認してから取引しましょう。
 

出典

独立行政法人 国立印刷局 日本銀行兌換銀券 旧券10円
日本銀行 お金の話あれこれ(1)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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