青信号に切り替わった瞬間に、後続車から「クラクション」を鳴らされた…!危険な場面以外でも鳴らしてよいのでしょうか?
配信日: 2024.12.17
今回のケースでは信号が変わった直後に後続車からならされていますが、とくに危険とも思えない状況でならされたことに納得がいかないようです。
そこで本記事では、車のクラクションに関して法律がどのようなことを記載しているかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
クラクションの使用に関する道路交通法の決まり
道路交通法第54条には、車両のクラクションについての規定があります。同規定によると、運転者は以下のような場面でクラクションをならさなければなりません。
・見とおしが悪い交差点や曲がり角、坂などで道路標識等により指定された場所を通行するとき
・山地部やカーブが多い道路で、道路標識等が指定する区間において見通しが悪い交差点、曲がり角、坂などを通行するとき
つまり左右の見通しがきかない場所において、警笛を鳴らすよう標識が指示している場合は、クラクションをならして周りに注意喚起することを義務付けています。
一方、同54条の2項によると、法令によりクラクションを鳴らさなければならない場合以外では、原則としてならしてはいけないとされています。危険防止の目的でやむを得ず使用する以外では、クラクションをむやみに使わない方がいいでしょう。
クラクションはむやみにならす目的で設置されていない
道路交通法第54条に照らしあわせると、クラクションの使用はあくまで交通状況に「危険」が潜んでいるときに限られるべきであって、以下のような場面では使用が認められていないと考えられます。
・知人を見かけてあいさつ代わりにならす
・信号が変わったことを周りに知らせるためにならす
・前の車をあおるためにならす
・いたずらでならす
・道をゆずってもらったお礼のつもりでならす
・周りの車への抗議のつもりでならす
たとえ意図がいいものだったとしても、クラクションをむやみにならすことは法律に抵触するおそれがあります。ならすことで周りのドライバーが不快な思いをし、思わぬ人間トラブルに発展することすらありえます。
クラクションをならしてもいいかどうかは、あくまでも「危険の有無」や「道路標識等の有無」で判断しましょう。
クラクションを不用意にならした場合のペナルティー
今回のケースでは、後続車がむやみにクラクションをならしているものと推察されます。信号が青になったことを相談者の車へ通知ないしは警告したのかもしれませんが、とくに危険はないでしょう。
道路交通法第121条9号によると、第54条2項に違反した場合、「2万円以下の罰金または科料」に処されます。
「たかがクラクション」と思ってむやみに使っていると、思わぬところで罰金の支払いを命じられるおそれがあるため注意しましょう。
車のクラクションは危険を防止するとき以外は原則使用できない
車についているクラクションは、あくまでも危険を防止する目的で使われるべきであり、ほかの車両へのおどしやお礼などに使うことはできないようなので注意が必要です。
違反すると重い罰則を受けるおそれがあるため、軽い気持ちであってもむやみに使わないようにしましょう。
出典
デジタル庁 e-GOV 法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第54条、第117条、第121条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー