デパートの入り口などにある「ぬれた傘」をしまうためのビニール袋。「使用済み」を再利用するのはNG?
配信日: 2024.12.24
しかし、環境保護の観点から「使用済みのビニール袋を再利用する」という方もいるようです。本記事では、傘を入れるビニール袋と環境の関係性や、使用済みのビニール袋を使用するリスク、代替案としてのマイ傘袋について紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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傘を入れるビニール袋とは
近年、環境保護の取り組みとしてレジ袋の有料化が進められていますが、デパートや店舗の入り口に設置されているぬれた傘を包むためのビニール袋は、現在も無料で提供されていることが一般的です。
ビニール袋は、雨の日に床をぬらさないための便利なアイテムとして重宝されているものの、一度使ったら捨ててしまうため、環境負荷だけを考えれば、削減が望ましいといえるでしょう。
ビニール袋は石油を原料としたプラスチック製品であり、廃棄後に自然分解されにくいという特徴があります。適切に処理されない場合、海洋に流出して生態系に悪影響をおよぼす可能性もあるでしょう。一方で、「環境のためにビニール袋を再利用する」行為には、衛生面のリスクが課題として挙げられます。
使用済みのビニール袋のリスク
環境保護の意識が高まる中、ビニール袋を再利用することは一見良い行動のように思えます。しかし、使用済みのビニール袋を利用することで、思わぬ衛生リスクが生じる可能性があります。
例えば、手を介した細菌の繁殖や食中毒の危険性は見過ごせません。環境への配慮だけでなく、健康を守るためにも、こうしたリスクをしっかりと理解しておくことが大切です。ここでは、使用済みビニール袋を利用するリスクを具体的に紹介します。
食中毒は手から発生する
日本では年間1000件以上の食中毒事故が報告されており、その約7割が手から発生しているといわれています。仮に使用済みのビニール袋を触った後に手を洗わず、食事やおやつを手づかみで食べると、体内に細菌が入り込み、食中毒になってしまう可能性もゼロではありません。
使用済みのビニール袋は他人が触れたものであり、どのような環境で使用されていたのかは分からないものです。目には見えないリスクが隠れているため、特に子どもや免疫が弱い人には注意が必要といえます。
人の手は菌が繁殖しやすい
手は「適温」「栄養」「水分」の3条件がそろっていることから、細菌が繁殖しやすい部位の一つです。
使用済みのビニール袋を触ることで、そこに付着していた菌が手に移り、さらに手の上で繁殖する可能性があります。雨水でぬれたビニール袋であればなおさらでしょう。手から顔や食べ物に菌が移る「二次感染」を防ぐためにも、使用済みのビニール袋を利用することは衛生的におすすめできません。
ビニール袋の代わりにマイ傘袋
環境と衛生の両立を考えるなら、「マイ傘袋」の利用がおすすめです。折りたたみ傘用や通常の傘用など、さまざまなサイズやデザインが販売されています。
価格帯も500円程度のリーズナブルなものから、2000円程度のものまで幅広く、一度購入すれば長く使用できるため、結果的にコストパフォーマンスも良好です。
さらに、布製や撥水(はっすい)加工が施された素材であれば、雨の日にも安心して使えます。使用後はこまめに拭いたり、アルコール消毒をしたりすれば清潔さを保(たも)てるでしょう。
また、マイ傘袋以外にも、傘の先端部分に取り付ける専用のキャップも販売されています。キャップはコンパクトで持ち運びやすく、使い方も簡単です。ビニール袋を使用する代わりにマイ傘袋やキャップなどのアイテムを利用することで、環境負荷を減らしつつ、衛生面のリスクも抑えられます。
環境問題と衛生面を考えるならマイ傘袋がおすすめ
環境問題が注目される現代、「持続可能な暮らし」を実現するためには、小さな行動の積み重ねが大切です。しかし、ぬれた傘を入れるのに使用済みのビニール袋を利用するのは、衛生面のリスクからおすすめできません。
どうしてももったいないと感じるのであれば、ぬれた傘をしまうためのビニール袋の代替として、マイ傘袋やキャップを活用することで、使い捨てビニール袋の削減に貢献できます。環境を大切にしながら、衛生面にも配慮するための第一歩として、マイ傘袋やキャップの利用を検討してみるのもよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー