美容院でシャンプー中「トリートメントされますか?」と聞かれお願いしたら、会計時に「有料」と知り驚き! 料金の説明がなかったら「返金」してもらえるの?
配信日: 2025.01.07 更新日: 2025.01.08
しかし、その後お会計のときに有料だと知った場合、モヤモヤした気持ちになる人もいるでしょう。
このようなケースで、返金を求めることは可能なのでしょうか? 本記事では、美容院での返金トラブルの事例を検証し、未然にトラブルを防ぐための注意点について解説します。
執筆者:渡邉志帆(わたなべ しほ)
FP2級
説明不足を理由に返金してもらえる?
「料金の説明がなかったから返金してほしい」と思うのは自然な感情かもしれませんが、実際に返金してもらえるかどうかはお店の判断になるでしょう。
多くの美容院では、サービスの内容や料金について、事前に説明を行うカウンセリングを実施しています。例えば、施術前の段階で「トリートメントは有料です」と説明があったり、メニュー表に料金が明確に記載されていたりする場合、説明不足とは判断されにくいでしょう。
本事案のように、施術中に新たなメニューを追加するときにも、美容院側にはその内容と料金を利用者に伝え、同意を得ることが求められます。
つまり、トリートメントを受けることに利用者が同意を示していない場合や、料金について何の説明もなかった場合は、「説明を受けていない」と主張する余地はあるかもしれません。ただし、サービスを受けた後では、返金を求めるのが難しい場合もあるでしょう。
利用者がトリートメントを受けることに同意し、実際にサービスを受けているためです。それでも利用者が「無料だと思っていた」と冷静に相談すれば、美容院側が返金や別の対応を検討してくれる可能性はゼロではありません。
特に初めて利用する美容院では、説明不足が原因で誤解が生じやすいこともあります。返金を希望する場合は、冷静に状況を整理し、できるだけ早めに美容院に伝えることが大切です。
美容院でのトラブル事例
国民生活センターの資料によると、美容院では次のようなトラブル事例があるようです。
イメージしていた仕上がりではないから返金してほしい
自分がイメージしている理想の仕上がりと、美容師が受け取ったイメージに乖離があることは珍しいことではありません。気に入らないという理由だけでの返金は難しい可能性が高いでしょう。
ただし、「10センチ切ってとお願いしたのに20センチ切られた」「お願いしていたカラーと全く違う」など、依頼していた内容と明らかに違う仕上がりになったなどの理由があれば、無料でのやり直しや返金を求めることができる可能性があります。
ヘアカラーの施術を受けたあと湿疹が出た
使用する薬剤によっては頭皮が荒れてしまうこともあるでしょう。まずは早めに医療機関を受診し、写真を撮る、当時の施術内容の記録をまとめておくなどしておくとよいでしょう。
美容院との話し合いによって、治療費を負担してくれるかもしれません。
トラブルを防ぐには?確認すべきポイント
美容室でのトラブルを避けるために、次のポイントを確認してみてください。
追加料金が発生するケースを確認する
美容院では、トリートメント以外にも以下のような場面で追加料金が発生するケースがあります。事前に確認しておくことで、予期せぬ出費を防ぐことができるでしょう。
・ロングヘアの場合:髪の長さによってカラー剤やパーマ剤の使用量が増えるため、追加料金を設定している美容院も少なくありません。
・特別な薬剤を使用する場合:オーガニックのカラー剤や高品質なパーマ剤などを選択すると、通常料金にプラスして追加料金が発生することがあります。
・シャンプーやブローが別料金の場合:一部の美容院では、カットをしない場合に別料金として設定していることがあります。
美容院によって料金設定は異なるため、施術前にメニュー表や美容師に確認することが大切です。
事前確認を徹底する
施術前に「トリートメントは有料ですか?」と一言確認するだけで、トラブルを防ぐことができます。聞きづらいと感じるかもしれませんが、料金の確認はお客さんとしての正当な権利と言えるでしょう。
気持ちよく美容院を利用するために
美容院での料金トラブルを防ぐためには、利用者自身がしっかり料金を確認することが第一です。一方で、美容院側も、金の説明が不十分だった場合には誠実に対応する姿勢が求められます。
トリートメントに限らず、美容院ではさまざまな追加メニューが設定されている場合も少なくありません。事前にしっかり確認し、美容師とのコミュニケーションを円滑にとることが大切です。
出典
公益財団法人 全国生活衛生営業指導センター 美容業に関する標準営業約款規程集(2019 年 2 月改訂)
独立行政法人 国民生活センター 消費者トラブルFAQ『 美容院・サロン 』内のFAQ
執筆者:渡邉志帆
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